「レインボーシックス」のオフライン大会は今回がまさに初参戦ながら、このロシア人選手は先週末に行われたシーズン9ファイナルズのMVPに輝いた。Team Empireの一員としてオンラインのリーグ戦に参加してから、わずか2週間。Danの見せたパフォーマンスは驚きの一言だった。
シーズン8が始まって以来、ほとんどがロシア人選手で構成される巨塔Team Empireは、チャレンジャーリーグからひたすらに駆け上がり、シックス・インビテーショナル2019では世界第2位。そしてファイナルズでもEU代表の第1シードとして出場した。
ミラノでのプロリーグ・ファイナルズにやってきたEmpireは、コミュニティ内の人気投票でも、SiegeGGの予想でも圧倒的本命馬だった。ほんの一ヶ月前、旧来のメンバーであるArtyom "Shockwave" Simakovが、信じ難いほど経験不足に思えるDanila "Dan" Dontsovと入れ替わったばかりであるにも関わらずだ。
自信満々でミラノにやってきたEmpireは、まず北米リージョンの第2シードであるDarkZero Esportsとの戦いに臨んだ。しかし銀行での試合では信じがたいほどの接戦となった。 目を剥くような一進一退の後、このヨーロッパチームは最終15ラウンド目にしてわずかな差で第1マップを勝利した。だが第2マップのEmpireはもはや敵無しだった。全体レーティング1.15を記録したDanにも支えられ、オレゴンでは7-3。DarkZeroの夢を終わらせて、次なる相手Fnaticとの対戦に備えた。
NAILBITIER ending! @team_empire > @DarkZeroGG #R6PL pic.twitter.com/Du4xg6fV0z
— ESL Rainbow Six (@ESLRainbowSix) 2019年5月18日
シックス・インビテーショナル2019の準決勝において、Empireは既にもう一つのAPACチームである野良連合を下している。しかしFnaticは今大会の準決勝で、日本チームよりも優れていることを知らしめている。中でもVirtueは、今度こそAPACのロースターから決勝出場者を出そうという熱意に燃えていた。Virtueの力でどうにか持ちこたえたFnaticは、1マップ目は落としたものの、2マップ目では勝利した。しかし彼のスキルを持ってしても、Empireはただただ強かった。終わってみれば、第3マップは7-0で片が付いてしまった。
ついにそのときがやってきた。Empireにとっては三ヶ月ぶり二度目の決勝戦。対するはEvil Genius。こちらが決勝に辿り着いたのはほぼ一年ぶりとなる。この時点ではEmpireの方が見劣りしていた。EGはピックマップの銀行を7-5で取ると、第2マップのオレゴンでも手早く6-3まで詰めていった。マッチポイント。あと1ポイントで、プロリーグのタイトルに手が届く。しかし歴史は繰り返される。思い出すのはシックス・インビテーショナル2018の決勝戦だ。シージ史上で最も有名とまで言われるこの試合のときのように、Evil Geniusは普段の冷静さを失ってしまった。おかげで逆に持ち直せたEmpireは、手にした短剣をわずかな隙間にねじ込んで、逆転への道をこじ開けた。
The rookie is showing us how it's done! @Dan_R6 #R6PL pic.twitter.com/1y04BWTAkz
— ESL Rainbow Six (@ESLRainbowSix) 2019年5月19日
Empireはそこから3ラウンドを連取し、オーバータイムに持ち込んだ。そこで見たものは、ノックアウト寸前に追い詰められた彼らがクラッチを決める姿だった。さらに2ラウンドを取って、Empireはオレゴンを8-6で制した。この巻き返しぶりは、シーズン6の決勝でBlack Dragonsに対して2マップ差をつけられたときのENCE Esportsと非常によく似ていた。G2以外のヨーロッパチームが、世界的な大イベントで最後に優勝したときのことだった。
最終マップとなったクラブハウスの前半戦、Empireが5-1と上り詰めた段階で、EGの防衛はその闘志もろとも砕けてしまったかのように見えた。突然EGは息を吹き返し、自力で再び立ち上がろうとした。しかし第10ラウンド、5人に対して2人の状況をScytherとDanがひっくり返した。1対2の状況でクラッチを決めたのは、Team Empireの新メンバーだった。ロシアチームは第3マップを手堅く収め、シーズン9プロリーグ・ファイナルズの栄冠を手にした。
Raise that trophy high! @team_empire #R6PL pic.twitter.com/12w8gGpByf
— ESL Rainbow Six (@ESLRainbowSix) 2019年5月19日
今回のオフライン・イベントを通して、Empireの一人ひとりが傑出した選手であることを見せつけた。このチームは誰にも倒せなかった。しかしはっきり言ってしまえば、中でもDanは一際目を引く選手だった。今回が彼にとって初のオフライン・シージであった点を加味すれば尚更だ。彼は自らタイトルを掴むクラッチを決めたチーム随一のフラッガーだが、メインオペレーターはThatcherとLesionだった。全3試合に渡って、34回のトライで15回のオープニングキルを成功させておきながら、明らかにサポートとフレックスの選手だった。
現在のTeam Empireは間違いなく、世界最高の2チームのうちの1つだ。彼らはまだ宿敵であるG2 Esportsに大会では勝っていない。恐らくシーズン10が始まれば、そこが彼らにとっての目標になりそうだ。Danに関しては、レインボーシックスのプロとしてのキャリアで夢のような出だしを切ったことは間違いない。プロリーグ・チャンピオンとなり、彼はNeskやFabianのような、シーズン7と8のMVP選手たちと肩を並べる存在となった。
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タイトル獲得おめでとう、Team Empire。そしてDan、MVPおめでとう。先週末に行われた大会の全試合結果はこちらから。ニュース記事はこちら。そしてこちらのYouTubeチャンネルで、全試合のハイライト動画をご覧ください!
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