当初予定されていた2月開催から3ヵ月が経ち、いよいよ明日からフランスのパリで「シックスインビテーショナル(SI)」が開催される。このクローズドイベントは、SI 2020以来初となる世界大会で、予選を突破した20チームのロースターのうち18チームがオフライン環境で対戦する。
以下に、この大会の出場チーム、スケジュール、注目ポイントなど、押さえておくべき点をすべてまとめていく。
出場チーム
本大会の出場チームのうち14チームは、2020年シーズンの成績によって計上されたポイントランキングに基づいて参加資格を得た。
- BDS Esport -- Shaiiko, Renshiro, RaFaLe, Elemzje, BriD, and eaglemees (analyst)
「優勝候補だとは思っていませんが、頂点に立てる力はあるでしょう」 - TSM -- Achieved, Merc, Beaulo, Geometrics, Chala, Pojoman (coach), and Daeda (analyst)
"Playing the regular season on LAN is awesome ... you don't have to deal with online Siege bullshit"(未訳) - Giants Gaming -- Lunarmetal, Ysaera, HysteRiX, SpeakEasy, jrdn, and GiG (coach)
「競争とは関係ないところで、前触れもなく職を失うところでした」 - Cloud9 -- EnvyTaylor, Static, Nova, Harp3r, SyAIL, OniChan, and RechoTZ (two coaches)
「今のC9はインビテーショナル2019のときのMantisFPSより強くなっています」 - Team Liquid -- nesk, xS3xyCake, psk1, Paluh, HSnamuringa, and Silence (coach)
"The previous Invitational cannot be forgotten, it must serve as a lesson for everyone"(未訳) - DarkZero Esports -- Mint, Hyper, Skys, Ecl9pse, njr, BC (coach), and Grant (analyst)
「まだ独自色を加えることができていないのですが、ブートキャンプでは時間があります」 - Ninjas in Pyjamas -- Kamikaze, Psycho, julio, Muzi, pino, and Mity (coach)
"The biggest lesson learnt from that loss was how to deal with that much pressure"(未訳) - Spacestation Gaming -- Thinkingnade, Rampy, Bosco, Fultz, Canadian, Lycan, Sov (two coaches), and DrewSpark (analyst)
「(Canadianは)競技者であり、自らが信じるものに心血を注いでいます」 - Team oNe eSports -- Lagonis, KDS, Alem4o, Levy, Neskin, TchubZ (coach), and RafadeLL (analyst)
"We studied every single player, even my analyst, before we signed them, so that the team could be perfect"(未訳) - Team Empire -- ShepparD, JoyStiCK, Scyther, Dan, Always, RayzerGM (coach), and Zheka (analyst)
"Confidence is the most important part ... In a Bo1, even one mistake can cost you three points"(未訳) - FaZe Clan -- Astro, cameram4n, Bullet1, Cyb3r, Soulz1, and Ramalho (coach)
"They said that we would play in another European country if things went wrong"(未訳) - Oxygen Esports -- FoxA, LaXInG, VertcL, Yoggah, Kyno, HOP3Z, and Redeemer (two coaches)
"Kyno knew he was not our first choice and I think that lit a fire in his eyes"(未訳) - G2 Esports -- Kantoraketti, UUNO, CTZN, Virtue, Kayak, and Shas (coach)
- MIBR -- reduct, Faallz, LuKid, Rappz, FelipoX, and Budega (coach)
"For them, it will be the first [such tournament] ... Pressure will be the biggest enemy"(未訳)
以下の4チームは各リージョンで開催された予選を突破し、出場資格を得た。
- CYCLOPS athlete gaming -- Anitun, SuzuC, gatorada, BlackRay, Ayagator, Fuji3 (coach), and Hybrid (analyst)
「『負ける』と思って臨むなら、試合に出るべきではありません」 - Mkers -- Lollo, Gemini, Scatto, Aqui, and Sasha
「緻密な作戦やBANなしで(PGNを)プレイするのは、必要な予防策でした」 - Parabellum Esports -- Spiritz, Eskaa, P3NGU1N, Sonar, Euphoria, and KoolAid
"People will probably underestimate us, but that's on them and we'll make sure to prove them wrong"(未訳) - FURIA Esports -- h1ghs, LENDA, Miracle, Fntzy, R4re, Twister, and Kizi (two coaches)
"Empire proved to every team that [reaching the Grand Final] is possible, there's no reason to think otherwise"(未訳)
そして、新型コロナウイルス感染症の影響により、以下の2チームは大会出場権があるにも関わらず、出場がかなわなくなってしまった。
- Wildcard Gaming -- コロナウイルスによる出入国規制により出場不可
- Virtus.pro -- コロナウイルス陽性反応によって出場不可
Conducted before their DQ: "We're struggling to close out rounds while having big advantages, so we are trying to work on that"(未訳)
実際に大会に出場する18チームの内訳は、中南米から6チーム、北米から5チーム、ヨーロッパから4チーム、アジア太平洋(APAC)から3チームとなっている。
今回のイベントにおける最注目チームは、Spacestation Gamingだ。インビテーショナルで2度のチャンピオンに輝いたCanadianが引退を表明したことで、今年の北米リーグでは苦戦を強いられたものの、彼は急きょロースターに復帰。3度目のタイトル獲得という偉業達成を目指している。
アナリストのLukeがビザを取得していなかったことで生じたこの復帰劇により、シージeスポーツ界はかつて経験したことのない、大きな興奮に包まれた。
しかし前回のSI以降、北米を取り巻く状況はかつてなく変化しつつある。ステージ1のトップ4チーム(Oxygen、Soniqs、Mirage、Disrupt)のうち、インビテーショナルに参加するのは1チームだけ。そのOxygenはタイトル獲得の有力候補の1つとなっている。
また、北米リーグは他の地域にはないオフライン環境での試合が行われており、そこで見られた他とは比べものにならないクオリティの高さを踏まえ、かつインビテーショナル2020を3位と5位で終えたTSMとDZも参加していることから、タイトル獲得に向けては北米勢全体が有利であるように思える。
南半球の中南米地域に目を向けると、NiPとLiquidはインビテーショナル2020から相対的に変化が少なく、今なお上位に位置している。しかしそこから下の顔ぶれにはいくつかの重大な変化があった。
FaZe Clanはシックスインビテーショナルの後にロースターをMIBRに変更し、MIBRはoNeを獲得。そしてoNeは今後の活躍が期待されるフレッシュなロースターを獲得した。その結果、SantosとFURIAは世界からも注目される存在となったものの、結果的にはLiquidがトップで、MIBRが2位。NiPは中位に甘んじている。
昨今のメジャー大会では、Team Liquidは誰もが知るその実力を発揮できずにいたもの、今大会ではそれを発揮できるのかもしれない。
次にアジア太平洋地域(APAC)について。4チームしか参加できなかったうえに、Wildcardがオーストラリアの渡航制限により出場がかなわなくなった。現在のAPACのトップチームであるElevateが参加していないことも問題だろう。APACを代表する3チームであるCloud9、CYCLOPS、Giantsについてはリージョン内でそれぞれ2位、4位、13位。Giantsに至ってはAPACプレーオフへの参加資格すら得られなかった。
しかし、悪いニュースばかりではない。この3チームは2020年には同地域内でも無類のトップ3チームとして活躍していた。またどのチームもロースターの変更がなく、世界のベストチームと競い合えるポテンシャルを秘めていることは明らかだ。かつてのようなFnaticと野良連合の競争がなくなった現在の環境で、どのチームが2021年のAPACのチャンピオンになるかが見所だろう。
最後にヨーロッパについて。APACと同様、Na'ViがBDS Esportsとの直接対決で8対6となり第1ステージのタイトルを獲得したものの、このトップチームはSIに出場しないという不幸な状況になっている。とはいえ、SI20ではヨーロッパのトップチームとなり、それ以降のすべての大会でトップ2に入っているBDS Esportsからマークを外すことは許されない。Shaiikoは国際チャンピオンとして、ついにその名を刻むことを目論んでいる。
また、SI21に出場するEUリーグのチーム事情は、NAリーグのチーム事情と似ており、G2は5位、Empireは9位でステージ1を終えている。この2チームは、2年前のSI19のグランドファイナルで対戦し、歴代インビテーショナルでも強烈な印象を残している。そのEmpireは今やチーム史上最下位、G2は5年間で初めてPenguを欠いた状態で大会に臨むなど、両チームともにターニングポイントを迎えている。
最後に、他の注目チームを紹介しよう。現在Parabellumは北米のチャレンジャーリーグを、MkersはEUのチャレンジャーリーグ予選をリードしており、現時点ではティア2レベルのロースターとされながらも、それぞれカナダとイタリアを代表するチームとして初めてこの規模の大会に出場する。
中でもMkersはRogue、Chaos、Na'Vi、Tempraなどのプロチームを破り、現在ヨーロッパリーグに参加していないチームの中ではトップに立っていることからも、彼らが特に優れた存在であることがわかる。
大会情報
今年の「シックスインビテーショナル」は、18チームが2つのグループに分かれ、5月11日から16日までの第1週目に総当たり戦を行う。その後、各グループの最下位のチームが脱落し、上位4チームがプレーオフのアッパーブラケットへ。残りのチームがロアブラケットに入り、19日から23日まで16チームによるプレイオフが開催される。
グループステージの日程は以下の通り(日本時間):
- 5月11日(火)-- 午後6時より15試合を実施
- 5月12日(水) -- 午後10時より9試合を実施
- 5月13日(木) -- 午後6時より15試合を実施
- 5月14日(金) -- 午後10時より9試合を実施
- 5月15日(土) -- 午後6時より15試合を実施
- 5月16日(日) -- 午後7時より10試合を実施
プレイオフの日程は以下の通り(現地時間):
- 5月19日(水) -- アッパーブラケット・準々決勝 / ロアブラケット・ラウンド1
- 5月20日(木) -- アッパーブラケット・準決勝 / ロアブラケット・ラウンド2
- 5月21日(金) -- ロアブラケット・ラウンド3、ラウンド4
- 5月22日(土) -- アッパーブラケット・ファイナル / ロアブラケット・ラウンド5
- 5月23日(日) -- ロアブラケット・ファイナル / グランドファイナル
シックスインビテーショナル2021は日本時間5月11日午後6時スタート。グループリーグの全体スケジュールは以下の通りとなっている。
今大会は新型コロナウイルス感染症による制限がかかり、キャスター陣も全員が直接イベントに参加するわけではなく、その顔ぶれも大きく異なっている。
パリで選手たちと一緒にいるのは、EUリーグのキャスターであるMilosh、Dezachu、AceOfPyrite、CaptainFluke、Jess、Hapの6人。そしてBR6とUKINのキャスターであるXRTROIKAとDemoの2人だ。一方、BLU、Stoax、Interro、KiXら北米のキャスターと、Devmarta、Guzz、ZenoxのAPAC Southのキャスター陣は自宅からキャスティングを務める。
また日本からは、競技シーンでもおなじみのキャスター、ふり~だ、ともぞう、Okayama、うらめし、Kemicalの5名がレインボーシックスシージ公式Twitchチャンネルで日本語によるキャスティングを行う。
各チームが奪い合う賞金総額は昨年と同じ300万ドル。チーム数は昨年までの16チームから20チームに増えている。賞金総額の内訳は以下の通り。
- 1st -- $1,000,000
- 2nd -- $450,000
- 3rd -- $240,000
- 4th -- $170,000
- 5-6th -- $135,000
- 7-8th -- $105,000
- 9-12th -- $75,000
- 13-16th -- $55,000
- 17-18th -- $40,000
- V.p and WC -- $30,000
しかし、賞金のすべてが現在の選手たちに支払われるわけではない。シックスインビテーショナルへの参加資格を得たものの、大会前にチームから外れた選手たちにも賞金を分与される権利がある。例えば、HotancoldはDarkZeroのメンバーとしてシックスインビテーショナルへの参加資格を得たが、3月にチームから外れた。彼は現在Mirageでプレイしているが、それでもDZの賞金の一部を受け取ることができる。
今夜から始まるシックスインビテーショナルでは、18チームが賞金総額$3,000,000の獲得を目指して激突。SiegeGGを通して、この世界大会の全試合の結果、ハイライト、まとめ、統計データをお楽しみください。
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