
野良連合と言えば、APACにおけるレインボーシックス シージそのものと言っても過言ではないチームだ。しかし昨今は、その見方が徐々に揺らぐような出来事が続いていた。
この日本のeスポーツ団体は、APACでシージの競技シーンが始まったのと同じ頃からその道のりを共にし、長きに渡って日本のシージ界における支配的な存在だった。
シーズン6APACファイナルに出場したときは突破こそ叶わなかったものの、野良連合は続くシーズン7ファイナルで、Rogueを相手に活き活きとした立ち回りを見せて一気に世界中から注目の的になった。

野良連合を率いていたのは、チーム内でも異彩を放っていたプレイヤー”Wokka”ことイチセ・ユウダイだった。彼は世界を舞台に戦った第2ラウンドで、Rogueの選手たちにエースを決めてあらゆる人々を唸らせた。
そこから着実に力を増していった彼らは、2018年にはシックスメジャー・パリで初めて世界のチームに勝利すると、地元日本で開催されたシーズン8APACファイナルをも制し、さらにシーズン8プロリーグファイナルではRogueにリベンジを果たした。この勝利に続き、野良連合はさらにAPACのチームとしては史上初めて、「シックスインビテーショナル」の舞台で準決勝に進出するに至った。
この日本チームは、悪ふざけめいた、しかし胸が躍るような戦い方によって、ブラジル・コミュニティと比肩してもユニークなシージ・ブランドとしてファンに愛されていった。Team Empireには1-2で敗れ惜しくも決勝への進出は果たせなかったものの、「シックスインビテーショナル2019」はAPACにとって史上最高の成果となった。

その後のシーズン9でも野良連合は、ミラノで開催されたプロリーグファイナルへ出場。しかしこのときは力およばず準決勝への進出は果たせなかった。些細なつまづきかと思われたが、実際のところ、これは谷底まで落ちていく予兆にすぎなかった。
シックスメジャー・ローリーでも、野良連合は一勝もできずに敗退。シーズン10APACファイナルでもAerowolfに粉砕されて、この日本チームにとって11回連続となるはずだった世界への道は阻まれてしまった。
負の連鎖は続き、プロリーグ旧フォーマット最後のシーズンでも、野良連合は(後に中止となる)APACファイナルへの出場を初めて逃すと、新フォーマットの競技環境下でも、もてる力をかき集めたものの10位で終了してしまう。その間には、元オーナーの”kizoku”ことニシ・ヤスヒロをめぐる給与に関するスキャンダルも巻き起こっていた。
以下のリストでは、野良連合のこれまでの道のりを振り返ることができる。
- February 2019 -- Nora's last international victory
- March 2019 -- Wokka leaves due to financial strain, focuses on streaming
- May 23rd -- Legacy player ReyCyil leaves Nora
- August 26th -- Claims of unpaid wages and misused funds come forward around Nora
- August 27th -- Nora's sponsors reportedly separate from the org
- August 30th -- kizoku resigns from Nora
- September 4th -- Nora seemingly uninvited from the JP Championship
- September 9th -- Nora's Academy team leaves to join REJECT
- October 16th -- APAC's biggest R6 streamer, Wokka, leaves Nora
- October 20th -- Ar7hur leaves Nora following unpaid wages (later rectified)
- November 1st -- Legacy player Merieux leaves Nora

そして今回、野良連合は入れ替え戦に臨む。対戦相手はかつての所属選手”Maavi”ことカイゾ・リクが、そのガンスキルでもってこのステージまで引き上げてきた新造チーム・エヴァ:eだ。
まず始めに、自己紹介と、野良連合でのご自身の役職について説明をしていただけますか?
私あきどっぐはシージ部門のアナリストリーダーとして活動しておりました。
先日の騒動にて前任が辞任し野良連合の新しい代表へ就任いたしました。
今は選手のサポートと企業間の連絡をしております。
今年の野良連合は厳しい結果となり、来月は入れ替え戦へ出場します。パフォーマンスを取り戻すために、ロースターはどんなことに取り組んでいますか?
野良連合は来シーズンからロースターが一人入れ替わり、新しい体制で入れ替え戦へ挑むことになります。
しかしながら新しいロースターは元々野良連合へ所属していた選手であり、戦術面・連携面へのフィットは問題なく行えております。
日々変わるメタへ対応するだけでなく、元々のガンファイトの強さを生かした戦術を生み出しております。
エヴァ:eは前に一度敗北している相手です。この点を踏まえ、入れ替え戦はどのような展開になると思いますか?
エヴァ:e様も新生チームでありながらロースターは間違いなく日本でもトップクラスの選手です。
お互いにガンファイトが得意な選手が揃っているので見応えのある試合になると思います。
しかしながら、入れ替え戦だけでなく勝ち進んだ先の北APACでの勝利も見据えているので、必ずリベンジを果たしたいと思います。
野良連合は先月、大きな財務上の問題がもとで論争となり、非難が集まった結果kizoku氏の退任へと至りました。これらの問題をどのように修復し、野良連合の名誉を回復していきますか?
財務上の問題ではなく、退任になったのは、選手に叱責している音声があった、それで引責しました。
しかしながら自分と野良連合の未来を信じ戦い続けてくれる選手・スタッフ・タレントを裏切らず1つずつ信頼と実績を回復していけるように尽力します。
新しいCEOとして、野良連合はどのような長期的な目標を見据えていますか?
長期的な目標としては、今まで野良連合の核として活躍してくれているシージ部門の覇権奪還と、他部門でも日本トップクラスに食い込める実力のあるチームを育成していきたいと思っております。
世界の野良連合ファンの皆さんに、メッセージをお願いします。
野良連合は再び世界の場へ返り咲きます。
そのために、選手・スタッフそして私もフルパワーで突き進んでいきます。
皆様も長い目で野良連合の今と未来に期待して応援してください!!
野良連合 あきどっぐ
果たして野良連合は2021年APACの出場権を防衛できるのか。明日の日本時間13時15分からはtwitch.tv/Rainbow6JPで試合を観戦しよう。次の一年こそは、野良連合と選手たちは再び最高レベルの戦いを見せてくれるかもしれない。
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