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Canadian「俺たちは今の北米で最も優れた、完成度の高いロースターだ」

OGA Pit MinorとUS Nationals 2019 Finalsで華々しい活躍を見せ、 Spacestation Gamingは現在勢いに乗っている。SiegeGGは、チームのIGLであるCanadianから話を聞かせてもらった。

Troy “Canadian” Jaroslawski は恐らく北米シージ界で最も馴染み深い人物だろう。Mythic eSportsの一員としてプロリーグのまさに最初のシーズンに参加して以来、彼はトップシーンに居続けてきた。初参戦から2シーズン後のプロリーグ・シーズン3で優勝。その後の2017年には、初開催となったシックス・インビテーショナルでも優勝。成功の道を歩んだCanadian だったが、それ以降はトロフィーを持ち上げるのがひどく難しいものになっていった。

eRa Eternityに勝利し、勝利を称え合うCanadianとKingGeorge 。シックス・インビテーショナル2017にて  (Photo: ESL)

インビテーショナルで優勝した次のシーズンで、Continuum は危うく降格しかけるところだった。その次のシーズンの成績もこぢんまりとしたものだった。それでも Canadianと彼のチームは、シーズン6でEvil Geniuses (EG) と契約し、復活を遂げたように見えた。北米リーグをトップで終え、シーズン3以降初となるファイナルへ出場。これにより、彼は今なお最盛期の強さを維持しているのだという人々の信心を高めた。しかし残念なことに、EGは当時躍進中だったチームENCE eSportsに一回戦で敗れ、ENCEの初タイトル獲得までの過程にされてしまう。

2018年でもCanadian と EG は強かった。しかし優勝にはあと一歩及ばなかった。 シックス・インビテーショナルではPENTA Sports に大逆転され、シーズン7ファイナルでも再びPENTAに沈められた。この件によって長年のライバル関係となった両チームだったが、Canadianは一度としてPENTAに、後にG2 Esportsとなる彼らに対抗して、チームを導くことができなかった。シックスメジャー・パリでは3-0のスコアでG2に粉砕され、タイトル獲得が期待されたDreamHack Austin では、目の前でMillenium に掠め取られてしまった。

DreamHack Montreal でもRogueに敗れ、チームの状況は悪化の一途をたどった。そしてシーズン8ファイナルではFnatic に史上最大の番狂わせを食らい、EGは0-2で蹴り落とされてしまう。2018年のUS Nationals FinalsではまたしてもRogueに敗北。この年のCanadianは幾度となく、優勝まであと一歩というところで阻まれていた。

Evil Geniuses 所属時のCanadian。シックス・インビテーショナル2019にて  (Photo: Peter Chau)

2019年のCanadianも苦々しい敗北から始まった。シックス・インビテーショナル2019では、G2 Esportsの連覇を阻止しようとしたものの、準々決勝でTeam Reciprocity に倒されてしまう。 Canadianはさらに、この大会では準優勝だったTeam Empireから、今度はシーズン9ファイナルで苦杯をなめさせられてしまう。彼と他のチームメイト2人でマッチポイントまで迫っていたのだが、目を覆いたくなるような失敗をした。復権を誓ったEvil Geniusesはシックスメジャー・ローリーに赴くも、グループステージ敗退という屈辱を味わい、Canadianの物語「EG編」もこの直後に終わりを迎えた。

Spacestation Gaming (SSG)に移籍した彼が結果を出すまでには、しばしの時間が必要だった。DreamHack Montrealでは新生EGに敗れ、定番ネタのようにこき下ろされてしまう。しかしチームとしてのSSGの質の高さは明白だった。それを証明するように、OGA Pit Minor の予選を楽々突破すると、復活したTeam Liquidに止められたことを除いては、猛烈な勢いで本大会を駆け抜けた。そして最後にシックス・インビテーショナルで優勝してから1043日後、 2019年のUS Nationalsで、Canadian はついに新たなタイトルを手にできた。その後のシックス・インビテーショナル2020予選でもその破壊力は止まることを知らず、SSGはようやく真の力を発揮した。

OGA Pit Minor でのCanadian

プロリーグ・シーズン11に臨むこの北米最強チームについてさらに詳しく知るために、SiegeGG はCanadianから話を聞かせてもらった。

Evil Geniusesから移ってきて約4ヶ月が経とうとしています。現時点での、Spacestation Gamingにおけるご自身の評価を聞かせてください。

今のところ、SSGでの俺はものすごく良いと言いたいね。 レーティングに関してなら今が俺たちの最盛期とでも言えるんだろうが、上にも下にもまだまだ他のチームがいるんだし、そこはどうでもいい。

Evil Geniusesから離脱したことは、あなた個人にとってどんな意義があったでしょうか。 「シルバーコレクター」のラベルをはがすことができた、とかですか?

俺はそんなラベルを自分に貼ったことはないし、チームメイトたちだってそうだ。そんなのは些細なことでしかない。EGを抜けたのは、俺たちがずっと同じところから動けないでいるように感じたからで、大がかりな変化を加えないことには解決できなかったからだ。以前はそんな変化が起きるなんて思ってなかったし、俺自身SSGに入って、Chala から席を譲ってもらう形で、北米で最も完成されたロースターに加わるとも思ってなかった。だがチャンスに乗ったんだ。

OGA Pit Minorでは優勝こそ逃しましたが、あなた方のパフォーマンスは非常に良かった。Team Liquidとの決勝戦ではどんなことがあったんでしょうか。

何よりもまず思ったのは、正直言って Liquidのシージはとんでもないってことだ。俺個人は、Neskが銀行でやったみたいに個人でマップを制圧したり、時には対戦相手の自信をすっかり奪い取ってきたりするようなやつらとは、一度も戦ったことがなかった。 Neskが暴れたあのマップに来る前だと、こっちは最初から1ポイント分のマップ・アドバンテージを取られていたから、俺たちにはミスが許される余裕なんてほとんどなかった。なのにカフェでは多くのミスをしてしまった。総じてあの試合からは多くのことを学べたし、オフライン戦の機会が少なかった選手にとっては大きな経験になった。個人的にはOGAでのことが大きかったと思う。

OGAに向かうとき、チームの皆さんはどんな目標を立てていましたか。そしてシックス・インビテーショナルへの出場が決まった今では、OGA全体をどう評価していますか。つまり、最大の収穫は?

OGAには優勝するために、そしてインビテーショナルの出場権を確保するために戦った。それだけの話だ。どのみち今では出場権が確保できてるから、あの大会は俺たちにとって本当に価値があったと言える。あんなに短い期間で多くのことを学べたし、経験を積んで、成長することができた。具体的に何がどのくらい強くなったかのかは分からないが、あそこでの敗北は、全体を通して見れば間違いなくそれに見合う価値があった。

チームの未来をどのように見据えていますか?SSGを北米のベストチームに挙げている方もいます。USNで優勝し、インビテーショナル予選でも優勝したとなっては尚更です。

俺たちにはこの上なく明るい未来が待ってる。思うに俺たちは、今の北米で最も優れた、完成度の高いロースターだ。そこに疑問の余地はない。そして今度は、世界でも最も完成度が高いってことを証明できるのを楽しみにしてる。SSGのメンバーはみんな、それぞれの役割でどこよりも頭一つ抜けてるし、見てて気が狂いそうになるクラッチを決めてみせる能力を全員が持ってる。それに1人でマップ全体を制圧できるほどのパフォーマンスも引き出せる。 そういう点や、俺たちの規律正しさ、それと (コーチを含めた)チームの全員が、成長するために目の前の壁をどうやって乗り越えてきたかを振り返れば、俺たちには限界がないってことが分かる。全員がそれを証明するために、ただ仕事をし続ける必要があるだけだ。

これまで何度も対戦してきたG2 Esportsについては、現状どんな問題があると思いますか?

まず率直に言わせてもらうと、こんな風に外野の人間がどこかのチームの問題点について的を射たコメントをするのは無理があるし、G2のメンバーじゃない人間が何を言ったところで鵜呑みにしない方がいい。それでも今のG2は、俺の目にもプレイスタイルの面で以前の強さとはすっかり別物に見える。何の異論もなく彼らを世界のベストチームだと言えた頃は、G2には目立った強さがあった。チームとしてキルトレードをしていく力がその一つだ。他のどこよりもそれが上手かったのは間違いない。いつでも全員がチームメイトをカバーできる距離を保っていた、あのきっちり編み込まれたようなプレイングからは徐々に離れてしまってるように見える。

シックス・インビテーショナル2018で優勝したときのPENTA Sports  (Photo: ESL)

スクリムや試合の結果を理由に、チームとして意識的に今のやり方を決めたのか、それ以上の、表には出てこない事情があるのか。単に彼らが気付けていない何かが起きているだけなのか。そこは俺には分からない。それでも俺は、G2の選手やスタッフたちがどこよりも、自分自身のことを理解する力があると強く信じている。どんなチームにだって、上げ潮のときもあればそうじゃないときもある。ようやくチームに対して重要な修正パッチをあてつつあるG2に対して、リスペクトの欠片もない物言いをするのは馬鹿げてる。彼らには時間と応援をやれ。でなければ黙ってろ。

Team Liquidのパフォーマンスはただの一発屋的な成功なのでしょうか。それともラテンアメリカ勢が復活ののろしを上げたのでしょうか。

Liquidのパフォーマンスが何に繋がっていくのか、言葉にするのは難しい。彼らはいつも最高の輝きを見せてきたし、プレイスタイルの面でいつでも予測不能な部分に陣取っているのがLATAMチームだ。過去にも同様の輝きを放っていたのに、最近はびっくりするほどおとなしくなっていたから、南米勢には一貫性があるのかどうかさえ分からないんだ。だが俺の意見を言わせてもらえば、彼らは今の勢いに乗じてくるし、 インビテーショナルでは最重要チームになると思う。

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1月6日は北米シーズン10のベストチーム・DarkZeroと戦うCanadianに注目だ。これまで一度も出場できていないプロリーグ・ファイナルだが、今こそSSGにはその資格があることを主張していくだろう。

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