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SiegeGGチームランキング、実装とその方法論

SiegeGGによるチームランキングの実装に合わせて、以下でその原理について説明します。

SiegeGGチームランキング

(原文:SiegeGG Team Ranking。併載された初期のランキングは訳文から除外しております。)

安定したシステムの開発には数十時間を要しましたが、我々SiegeGGはここに公式チームランキングを発表できたことを喜ばしく思います。このプロジェクトは長期に渡って取り組んできたものであり、今回ようやく、レインボーシックスの競技シーンに詳しいファンの皆さんの総意を納得のいく形で反映した、高い完成度を誇るものができたと自負しています。このランキングはすべて我々の有するデータベースから成り立っており、第三者の証言や、推論などの要素は含まれていません。

同様の試みは、過去にもコミュニティ内から幾度となく発起されてはいました。しかし我々のランキングは世間一般の通念をより正確に反映していることを望んでいます。また競技シーンにおける個々のチームの強さについて議論する際の、参考資料として使っていただけることを願っています。

ランキングそのものは、チームのパフォーマンスにレート付けを施すポイント加算システムによって生成されます。このシステムは次の2つの要素によって成り立っています。大会のフォーマットと、そこでの成績です。この2種類のポイントの合計値がチーム全体のレーティングとなります。チームのレーティングは試合ごと、大会ごとに変動します。レーティングで最高値となったチームが、ランキングトップのチームになります。2位以下も同様です。ランキングに参加できるチーム数に制限はなく、現在活動中の全チームも、過去のチームも同様に相対評価されたうえで採点されます。

ランキングはそのまま文章にして説明できるようになっています。ランキングに反映されるのは既に終了した試合のみであり、将来の試合(すなわち勝敗予想)は含まれません。したがって、そのチームの本当のレベルと、皆さんがそのチームの最高の瞬間や過去の活躍からイメージしているレベルとの間にはギャップが生じ得ます。

大会フォーマット

グリコ2

レーティングの一つ目の要素は、大会のフォーマットです。レート値は、グリコ2レーティング・システムを微調整したシステムから算出しています。グリコ2とは、以前からあるイロレーティングとグリコレーティングに改良を加えたものです。具体的にどのような数学的手法を駆使しているかについて詳しく知りたい方は、WikipediaMark Glickmanのウェブサイトで素場らしい解説文をお読みいただけます。

手短に言うと、勝ったチームがポイントを獲得し、負ければポイントを失います。引き分けの場合は大きな変動はありません。評価対象になるのは試合のフォーマットです。すなわち同じチームでも、小さなリーグのオンライン戦よりも、オフライン大会の決勝戦の方がより多くのポイントが与えられます。また、試合結果はチームの構成メンバーである選手たちのパフォーマンスに左右されるため、明白な勝利を得た場合は、オーバータイムまでもつれこんだ場合よりも多くのポイントが与えられます。

対戦相手の強さも評価対象に、さらにはチームの選手たちが最近どれだけ試合に出ていたかも、同様に評価対象になります。より多くの試合に出るほど、システムから与えられる評価点はより明確に定まるようになり、統計上の不確実性は下がっていきます。このランキングは「保守的な」ものであり、不確実性が高いチームほど下位に、不確実性の低いチームほど上位にランク付けされるようになります。つまり以前からポイントを積み上げてきたチームほど優遇され、少し活躍してみせた程度の新造チームがあまりに高い順位にまで行かないようになっています。しかしシステム上では良いチームとされているチームでも、以前よりも試合に出なくなってしまうと減点されます。つまりトーナメントに出場して順位の奪い合いを続けることが、ランキングの上位に居続けるためには重要となります。

さらに言えば、全体ランキングに掲載され続けるためには、チームは一定水準の活動を続けていく必要もあります。もしそのチームが十分に活動していない場合、不確実性はやがて設定上の最大値を超え、それが閾値となってランキングから除外されます。一定の活動停止期間が続くことによって除外されるので、何らかの形で通常の試合に出続けているチームには、この手の問題は杞憂です。

ベイズ確率による調整

我々が直面した大きな問題のうちの一つは、トップレベル未満のチームに適正なレーティングを与える方法、中でもリージョンの異なるチーム同士を比較する方法でした。リージョン間のオフライン大会には滅多に出場せず、互いに試合をしたこともなければ、各々のライバルチームとも試合をしていない2チームが似たような順位になった場合、どちらが上なのかを決めるのは困難を極めました。

この問題に対する一つの答えは、ベイズ確率を用いることでした。リージョンを代表して世界大会に出場したチームのパフォーマンスに基づいて、そのチームが所属するリージョン全体の強さの推定値を算出したのです。たとえば、もしオフライン大会に出場したEUのチームがすべて、他のリージョンのチームよりも優れた成績を残した場合は、EUのトップチームだけでなく、リージョン内の全チームにもその分析値が波及し得るわけです。もし大会の度にヨーロッパのチームが優勝すれば、EU内では3位だったチームは、他のリージョン内で3位前後だったチームよりも上の順位につき、レーティングもより上がりやすくなります。すなわち世界大会では、皆さんは単に自分たちのためだけに戦うのではなく、リージョン全体の一部となって戦うのです。

成績

ポイント分配

オフライン・トーナメントの順位によって各チームにポイントが与えられ、また主にプロリーグのような、質の高いチームが十分に集まった特定のオンライン大会の成績からも同様にポイントが与えられます。各大会の成績が何ポイントに値するかは、出場チーム全体の強さ、大会の質や規模、コミュニティがその大会の進行にどれだけ注目しているか、といった複数の要素を用いた計算式に基づいています。

トーナメントで優勝した場合はポイントも最高点に、それより下位に与えられるポイントは順位ごとに減少します。このポイントの減少の仕方については、トーナメントに出場した各チームが高いクオリティを発揮するほど、より緩やかな曲線を描きます。出場したチーム全体のレベルによって与えられるポイントの全体量が決まるため、8チームによるトーナメントで8位だったチームに与えられるポイントは、16チームによるトーナメントで8位だったチームよりも少なくなります。

ポイントの減衰

全チームのポイントは、与えられたその時から減衰し始めます。減衰量は最初は非常に少ないのですが、半年を過ぎた頃から失われるポイント量は増え始め、やがてはどんな過去の成績も現在のランキングとは無関係になります。

さらにロースター変更を行うことによっても、ポイントの減衰量が増えるようになっています。選手が一人チームから去る度に、そのチームが獲得してきたポイントのうちの5分の1が消滅します。これにより、ロースター変更を行ったチームが、その後も上位に居座り続けないようになります。以前と同じレベルのパフォーマンスができることを、もう一度自分たちの手で証明しなければなりません。

トーナメントへの出場成功と失敗のバランス調整

我々が直面したもう一つの難題は、全チームが全トーメナントに出場するわけではないという事実を、どう扱うかという点です。大きな大会で一度だけ優勝したものの、他の大会には出場を逃したようなチームが、複数の大会で上位に終わったチームよりも多くのポイントを得るに値するのでしょうか?異なる種類のモデルを幾つもテストし、全体構想に組み込んでいった末に、我々は妥結点を見出しました。次にトーメナントに出場する際は、その大会で獲得可能なポイントによって獲得ポイント量も逓減するようになります。これにより、各チームはそれなりの数のトーナメントに出場する動機を得られますが、できる限り多くの大会に出場することでポイントのタダ取りをするような、システムの悪用は困難になりました。

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