Risze「チャンスは誰にとっても等しくあります」

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シーズン10ファイナルズ「常滑への道」シリーズ。第3回はGiants GamingのキャプテンRiszeから、トーナメントに向けたチームの取り組みについて話を聞かせてもらった。

This article is translated. You can find the original here: Risze: “We all have equal chances to bring it home”

今年のシージ界におけるGiants Gamingを一言で表すなら、「ジェットコースター」がぴったりだろう。このスペイン企業が世界の競技シーンに加わり、チームが支援を受けられるようになったのは、シックスメジャー・ローリーの直前のことだった。彼らはローリーでNinjas in Pyjamasを倒し、Evil Geniusesにはシックス・インビテーショナル2019のリベンジを成し遂げ、そして常滑で行われる日本ファイナルズへはEUプロリーグから一番乗りを果たした。

しかしこの惚れ惚れするような成績に至る以前、チームはどん底に落ちていた。LeStream Esportの名の下に今年の戦いを始めたロースターの初陣は、ミラノでのシーズン9ファイナルズだった。ミラノでは目も当てられないパフォーマンスだったが、その後チームには成績、オフライン・トーナメント共に成長が見られた。一方でUUNOがG2 Esportsと契約したため、彼を失った分を取り戻さなければならなかった。UUNOの代わりに選んだのは元Natus Vincere(ロースターは現OrgLess)のメンバーであるKoreyだった。Koreyはチームを動かすため、そのエンジンに強烈な蹴りを入れてくれた。

Korey シックス・インビテーショナル2019にて (via Peter Chau)

ロースターはラスベガス旅行を前に、Koreyと共に戦いを始めてからたったの1週間で、新しいプレイスタイルに速やかに順応しなければならなかった。ベガスでは決勝でTeam Secretに敗れるも、どうにかファイナリストになることはできた。実質手ぶらでベガスから帰ったわけだが、オフラインでも素場らしいパフォーマンスを発揮できるということを見せつけた。

しかし6月の終わり、LeStream Esportはレインボーシックスからの撤退を決める。ロースターはそのとき、シーズン10のEUプロリーグで首位に立っていたにも関わらずだ。Valentín "Risze" Liradelfoに率いられたチームは置き去りにされ、シーズン10は辛い時間を過ごした。DreamHack Valenciaがもうすぐそこまで迫っていた状況では尚更だった。撤退の理由は単純で、LeStream Esportはパイロット・プログラムに参加することができなかったからだ。このフランス企業は競技シーンへの支援を止めてしまった。 

Riszeをはじめとするロースターはその後、Looking For Org (LFO)と名前を変えて活動を再開し、プロリーグで3試合を戦った。だが彼らLFOが出色の出来栄えを見せたのは、間違いなくバレンシアでのことだった。その名を貸してくれる企業がいない中、シックスメジャーやその後の大会に向けて、新しい企業に声をかけてもらうためにはオフラインでの結果が最重要ということを強く意識していた。彼らは結果を出した。一歩及ばなかったものの、再び決勝戦まで進出することができた。

幾らか落胆して帰国の途についた彼らだったが、それでも第二目標は達成することができた。シックスメジャー・ローリーが始まる数週間前に、Giants Gamingが彼らを獲得したのだ。スペインには後に解散した同名チームがあったので混乱したかもしれないが、ともかく彼らヨーロッパのロースターはローリーでベスト8入りを果たした。これはチームにとっては賛否両論だった。一方ではメジャー級のオフライン大会でようやく力強いパフォーマンスを発揮し、Evil Geniusesにリベンジを果たせたのだが、その一方でチャレンジャーリーグのチームである(その後自力でプロリーグに昇格した)forZeにトーナメントでノックアウトされてしまった。

それでもプロリーグにおける覇権は握り続けた。Natus Vincereに僅差で1位を取られたものの、恐るべきチームであることにかわりはない。ファイナルズの最初の対戦相手は、此度新たにAPACチャンピオンのベルトを巻いたAerowolfだ。Giantsには苦しい任務が待ち受けていることだろう。 

Giants Gaming at the Six Major Raleigh

SiegeGGはチームのキャプテンであるRiszeから、シーズン10に向けたチームの取り組みや、今後のことについて話を聞かせてもらった。

ではまずあなたのことから始めましょう。ロースターとしては2年半以上在籍して、ファイナルズには5回の出場経験があります。日本が6回目、その後にはシックス・インビテーショナルもある。こうした経験のすべてが、どんな風にあなたを鍛え上げてきたと思いますか?  

オフライン戦の経験もそうだけど、出場してきたすべての試合、みんなで達成したそれぞれの成績が、僕個人にも影響を与えています。ときにはそれなりの成績だったこともありますし、落ち込んだときもありました。トーナメントの半ばで蹴落とされる度に、自分自身やチームに対して、ずっとやってきたことに対して、どうすればもっと上手くいっただろうかと多くの疑問を投げかけます。

敗北から感じるフラストレーションに慣れることは決してありません。他の人たちがトロフィーを持ち上げるのを見るたびに、誰よりも上手くなるためにもっと仕事に打ち込みたいと思うようになりますし、これまで何度も外野から見てきた優勝の瞬間を、最後はチームメイトのみんなと一緒に成し遂げたいと思えます。

それではGiants Gamingについて。現在の成績をあげるのに、このスペイン企業はどんな支援をしてくれましたか?

企業の人たちには多くの面で本当に助けられています。金銭的な面だけでなく、純粋に僕たち一人ひとりのことをたくさん気に掛けてくれるんです。マラガにある企業の保有施設を使う機会もあって、そこでシーズン後半に向けた準備をしました。だけど特に重要なポイントは、企業の人たちは僕たち7人全員をまとめて、迷わず拾い上げてくれて、しかもこっちのやりたいように試合をさせてくれたことです。

ほとんどの企業には既にマネージャーや、時にはコーチもいて、6人目以降の選手は持とうとしないものですからね。もし(マネージャーとコーチである)RobzとCrapelleの助けがなかったら、僕たちは今頃どうなっていたか正直分かりません。二人には戦術面や選手同士の人間関係の面で多くを助けられましたから。Giantsは上手くいっているチームだということを証明して、彼らから得た信頼に報いたいです。

今回のプロリーグ・ファイナルズのメインステージにはG2 Esportsが二大会連続で不在で、Team Empireも姿を消してしまいました。皆さんはこれまでオフラインでは最高の成績を残せていないことや、Natus Vincereは世界大会デビューであることを考えても、それでもEUはまだ優勝候補だと思いますか?

マイナー級の大会で2回決勝まで行って、メジャーではベスト4まで行っていることを考えると、僕たちのオフラインでのパフォーマンスは言うほど悪くはないんですが、もちろんまだまだ不十分ですし、この手の大会で僕たちが倒してきたチームのことを考えれば尚更、もっと上手くなりたいと思います。

とはいえ自分たちのことを、そちらが言うような優勝候補みたいに思っているわけではありません。NaViだってプロリーグ・ファイナルズに出るのはこれが初めてなわけですから。私見ではEUは今なお最も競争の激しいリージョンだと思っています。ですが他のリージョンもいずれは追いつくでしょうし、Bo3の試合ならどんなことだって起き得るでしょう。戦いはどんどん激しさを増しています。なので今回のファイナルズはとても面白いものになるでしょう。

今シーズンはプロリーグにおける新チャンピオンの誕生を見ることになります。皆さんのチームが優勝を勝ち取れるチャンスは、どの程度であると考えていますか?

The Season 10 Finals brackets

今言ったように試合はBo3なので、この手のファイナルズのレベルの高さも考えれば、タイトルを故郷に持ち帰るチャンスは誰にとっても等しくあります。

今日までのオフライン大会では、皆さんは苦しんできたと言っても過言ではないでしょう。オフラインではまだ、自分たちの真の実力を出し切れていないと思いますか?

「過言では無い」なんて言えるのは、僕たちがまだイヤー1やイヤー2の頃のGifuの成績にさえ近づけていない、みたいな話をしちゃってるからでしょう。でも実を言うと、オンライン形式では、お互いの手の内をよく知っている者同士が相手を驚かせるために、「Bo1の準備」に時間をかけてきたチームが報われるんです。勝てたのは、それだけ相手よりも長い間同じリージョン内でプレイしていたからなんです。

ですがオフラインのBo3で問われるのは、自分たちの試合ができるかということです。プロリーグ・ファイナルズのような大会について言えば、僕たちは自分たちの試合をすることに集中していますし、用意する作戦もむしろ対戦相手への対策に向けたものです。

今回はAPACリージョンで開催される初の世界大会です。このリージョンはここ数年で目に見えて成長し、野良連合やFnaticのようなチームもメジャー・トーナメントではベスト4に辿り着いています。ですが、ローリーでは苦戦していました。APACはもうピークに達したんでしょうか?

そんな風には思っていません。Fnaticは内々の問題点を解決できずに苦労しているんだと思いますし、同じように野良連合もWokka以降の火力不足に苦しんでいるんでしょう。Wokkaの場合は試合全体にも多くの興奮をもたらしてくれていたと思います。一方では、Aerowolfは非常に強くなって、APACの二大巨塔を実力で打ち負かしているので、僕たちにとっても簡単な仕事ではないでしょう。今がAPACの限界だとは思いません。間違いなく進化を続けています。

APACといえば、Fnaticと野良連合はAerowolfに倒されていて、皆さんはそういう相手との対戦になるわけですが、APACには他にもう一つ、Wildcard Gamingもメジャー級の大会でのデビューを飾ることになります。このチームのついての印象はどうでしょうか。またFnaticと野良連合がいないことで、ファイナルズにどんな影響を与えると思いますか?

僕が初めてアトランティック・シティでのプロリーグ・ファイナルズに出たときのことを思い出します。とにかく興奮しまくっていて、他のことはまるで気に掛けなかった。そして会場では最高の試合をすることができました。AerowolfとWILDCARDも同じだと思っていますので、彼らを油断しないよう心がけています。

いつもの2チームがいないことで新しい血がもたらされ、あらゆる面において違った経験ができると思います。たとえば、FnaticはEUメタを組んでいたものですが、AerowolfもAPACチーム相手に徹底したメタゲームを敷いていました。それに加えて、日本の観客たちは日本のロースターを応援できなくて心を痛めている。でも日本の人たちは世界でも有数の観客だと耳にしていますし、どのみち彼らはAPACチームに熱烈な声援を送るんじゃないかと思っています。

ファンに向かって、他に何か話しておきたいことはありますか?

びっくりすることばかりの僕たちの旅を皆さんに応援し続けてもらえるのは、一生忘れられないプレゼントです。この世界で戦えていることについて、皆さんには感謝しています。

来週末に行われるシーズン10ファイナルズではGiants Gamingの活躍に注目だ。大会は11月9日と10日、試合は共に日本時間の午前10時からスタート予定となっている。Giants の最初の相手はAerowolfだ。もし上手くいけば、決勝戦に向けての次なる相手は、FaZe ClanかDarkZero Esports のどちらかになる。