Sua「(Shasと)一緒に大きな山に挑んでいます」

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ドイツからフィンランドへ、そして再びベルリンへ。Kevin “Sua” StahnkeはENCEを離れてG2 Esportsに加わり、ひと月もしないうちにシックス・インビテーショナルで優勝を果たした。G2のロースターと約8ヶ月を過ごしたこのドイツ人アナリストから、話を聞くなら今しかない。

This article is translated. You can find the original here: Sua: "[Shas and I] tackle our big mountain of work together"

Kevin “Sua” Stahnkeこそ真のシージファンだ。彼は2016年から「レインボーシックス」のコミュニティに参加しており、同じ年にPENTA Sports Academyにも加入、そこで選手としての第一歩を踏み出した。  しかしほとんどの人が彼のことを知るようになったのは、シックスメジャー・パリが終わり、ENCEに加入してからだった。当時のフィンランドチームのロースターたちは前季のプロリーグで降格し、シーズン8をチャレンジャーリーグから再出発するところだった。

Willkey、Bounssi、UUNO、Gomfi、そしてSHA77Eと共に働くSuaのミッションは、ENCEをシージ競技界の最高峰へと返り咲かせることだった。このときチームの順位は2位、Team Empireの一つ後ろだった。正体不明のロシアチームは13勝をあげてチャレンジャー・リーグを制覇したが、2位に終わったENCEにもプロリーグに参加するチャンスが十分にあり、入れ替え戦でTeam Vitalityに2-1で勝利した。こうして目標は果たされた。

次に彼らが登場したのはDreamHack Winter 2018。ENCEはそこで、Chaosに0-2、Team Liquidに1-2と、極めて低調なパフォーマンスに終わった。グループ内でのラウンド得失差も、最終的にマイナス18ラウンドだった。

DreamHackの後、このフィンランドチームはシーズン9の最初の試合でLeStream Esport (現Vodafone Giants)相手に7-2で勝利し、巻き返しを図ったかに見えた。しかしその直後、ドイツ人コーチSuaはチームを去ることに決めた。これに引きずられてか、ENCEはプロリーグ戦で2戦連敗。さらにシックス・インビテーショナル2019の予選でも、XTreme Video EsportとPACTにそれぞれ0-2で敗れた。

お粗末な記録と言って過言ではなかったものの、Suaはフィンランドのロースターの元を去ってからほんの1ヶ月後にG2 Esportsと契約し、新アナリストに就任した。それはシックス・インビテーショナル2019が始まる、ほんの2週間前のことだった。この大会でチームは劇的な戦いぶりを見せ、FabianやPengu、Goga、Kantoraketti、jNSzki、Shas[o]Udasらと共に、Suaも優勝ハンマーを掲げ上げた。

ベルリンに本部を置くG2 Esportsで8ヶ月を過ごした今、SiegeGGはSuaから話を聞く機会を得た。今のチームについてどう考えているのか。リージョン間の差異や、競技シーンにおけるアナリストの役割について、幾つか質問をさせてもらった。

最近コーチに「昇進」したわけですが、元々はチームの「一介のアナリスト」に過ぎませんでした。何が変わったのでしょうか?

最初にアナリストとしてG2に入ったのは2月のことでした。その頃チームは時間的にもかつかつで、インビテーショナルの前に私を新アナリストにすることが、事態を対処する最も手っ取り早い方法だったわけです。インビテーショナルの後で具体的な話し合いができる時間が増え、そこでShasをマネージャー兼コーチに、私をコーチ兼アナリストにする結論に至ったんです。

最近この線引きは完全にあやふやになっていて、私たち二人で、いま挙げたすべての仕事をこなしています。私たちは一緒に大きな山に挑んでいます。初の二人組のコーチというわけです。こんな感じに実際の仕事をこなしていながらも、チーム内では未だにアナリスト呼ばわりされるのが定番ネタになっているんですが、私はチームのコーチなんです。

シーズン9前半のパフォーマンスが低調に終わった後、G2 Esportsはあなたを新アナリストとして雇用しました。入って2週間もしないうちに、チームはシックス・インビテーショナル2019でTeam Empireを3-0で粉砕して優勝しました。この大会が終わった後のお気持ちを聞かせてください。

私が加入してすぐ、Shasと一緒にどうやってインビテーショナルの準備をするか、じっくり計画を練り上げました。ほとんどの時間をチームの内外にわたる分析作業と、問題解決に費やしました。その甲斐あってインビテーショナルでは素晴らしい成果をあげられました。大会に至るまでの2週間は生活が乱れていて、毎日が食う、寝る、働く、の繰り返しでした。ですが明らかにそれに見合う価値はありましたね。

シックス・インビテーショナル2019決勝戦の統計。G2 EsportsはTeam Empireに3-0で勝利した

チームと一緒に半年以上を過ごして、ロースターたちにどんなものを与えることができたとお考えでしょうか?

ENCEに入る前は、カウンターストライクとシージ両方の競技選手でした。いつも勝つために粉骨砕身してきました。Shasの方は何でも計画通りにこなそうとするタイプなので、私は緩めに対応していく方向性を追求したんです。そんな具合に、チームに新しい観点やアイデア、プレイの仕方を導入しました。

入ってすぐに、Shasは私なりの観点やアイデアを考慮に入れてくれました。何か問題が生じたときは、ShasがアイデアAを思いつき、私がアイデアBを思いつく。そこで二人で、どうすれば両者にとって完全にベストなものになるかを議論するんです。サポートスタッフが団結するには、顔を付き合わせて話し合うのが大切なんです。

Team EmpireがPENTAやGiFuとの試合で共に引き分け、さらにG2 Esportsに敗戦するなど思わしくない結果に終わっていたところで、皆さんは連勝を続けてEUのトップ2に戻ってきました。シーズン後半に先がけて、パフォーマンスをどんな風に改善させたのでしょうか?

ざっくりと「作戦を温存していたんです」と言ってしまうのも好きなんですが、それは真実のほんの一部でしかないんです。現在世界で最も頭が良く、機械じみたスキルを持っているUUNOのような選手を加えたので、チームを大きく変えていました。

しかし新しい選手と他のロースターたちを完璧に一つにまとめ、チームに対する揺るぎない信頼や団結心を抱いてもらうようになるには時間がかかります。特に大きな重圧がかかる状況下ではね。ローリーでの戦いぶりは素晴らしかった。決勝までは、ほぼ完璧で非の打ち所がない大会でした。このロースターならどんなことができそうか、一筋の光のようにひらめくものがあったんです。

DreamHack Montreal で、ようやく自分たちの為すべきことが明白になりました。大会が終わってすぐに出発地点に戻り、チームとして一つになり、リワーク作業や、作戦の再構築に努めました。シーズンの残りの7試合を全勝すればまだ日本に行けることは分かっていましたから。現在のパフォーマンスには満足しています。一つ一つの試合を勝って、最終目的である日本ファイナルズへの出場を果たし、さらにはシックスインビテーショナル2020への出場権も確保します。

Team Empireがチャレンジャー・リーグで初めて試合をしてから、まだ一年しか経っていません。彼らロシアのロースター陣は、Tier2のチームから、シックス・インビテーショナルの決勝へ。そして敗れはしたものの、G2 Esportsというシージ史上最強のチームと戦うまでに至りました。シーズン9ファイナルズで初の世界大会を制覇してから3ヶ月後の9月には、あなた方にリベンジを果たしました。コーチとして、Empireの成功の裏には何があったと思いますか?

ENCEで戦っていた頃、シーズン8チャレンジャーリーグの主たる敵として、Team Empireのことはじっくり追いかけていました。すぐに目に留まったのは、彼のドローンの使い方がしっかりしていることです。統制の取れたドローン使いに関して、彼らの右に出るものはいないと認めざるを得ません。彼らがドローンを置く位置は、あたかも密な情報の包囲網を作りあげるかのようで、かいくぐるのは困難です。さらに、今では誰もが知っての通り、Team Empireは同じ作戦を繰り返し使います。私としてはあれを「ブルドーザー」戦法と呼んでみたいですね。自分たちの身辺をどんな風にセッティングしたところで、彼らは凄く効率的に拠点への足掛かりを確保し、防衛で彼らからラウンドを取るのを困難にするからです。

そして防衛でのTeam Empireには、JoyStiCKという、私見ながら世界屈指の遊撃手がいます。彼は敵の時間を食い、ドローンを食い、そして闘志をも食らってしまうのがとにかく上手い。しかしシージには完璧な作戦なんてありません。あらゆるシステムには弱点があり、必要なのはそこを突いていくことです。もちろんTeam Empireにも弱点はあります。

EUチャレンジャーリーグはかつて無いほど緊迫しています。言うまでもなく、ローリーメジャーのベスト4に入ったTeam SecretとforZeもシーズン10での戦いに参加します。ヨーロッパ・リージョンについてはどう思いますか?

現時点では、EUチャレンジャーリーグのチームのレベルは、北米や南米プロリーグのチームと同じくらいだと自信を持って言えます。CLにも荒削りな才能がごまんといて、げっそりさせられますよ。forZeにSecretにBDS、いずれもシーズン11プロリーグの座を射止めるのに相応しいチームです。来季はどんな展開が見られるのか、今から待ちきれませんね。ヨーロッパというリージョンは飛躍的に拡大しています。

私たちはそんなCLのチームとスクリムをして、あれこれ新しいことを試し、しかも他のPLチームに情報が漏れないようにしながら大きく成長することができる。翻って、CLのチームはPLのベストチームと練習することで、さらに強くなれます。ヨーロッパというリージョンにとって、これはウィン・ウィンの関係です。

では他のリージョンの話題を。APACチームは、シックスメジャーではたった1マップすら取れませんでした。(※訳注:1試合も取れなかった、の誤り。)FaZe Clanは決勝トーナメントに進めた唯一のLATAMチームで、北米は5チームのうち2チーム(Team SoloMidとSpacestation Gaming)だけが進出しました。北米プロリーグでのTSMはその当時7位、SSGがローリーでプレイできたのは開催国招待枠のおかげでした。一方でヨーロッパチームは全ロースターが、しかもうち2つはチャレンジャーリーグのチームが、トーナメントに進出しています。他のリージョンがヨーロッパと肩を並べられるような強さを手に入れるには、どんな改善が必要だと思いますか?

さっきも言ったように、ヨーロッパというリージョンは雪だるま式に成長しているので、forZeやSecretやBDSのようなチームにも常に、北米や南米のチームにオンラインで勝つチャンスが十分にあります。

南米や北米の最大の問題は、チャレンジャーリーグにあると思います。スクリムでプロリーグのチームに食いつけるような、チーム層の厚みがないということです。

私の見立てではTSMが期待の新参チームで、彼らのことはこっちのレーダーでも確実に捕捉しています。Gotchaがコーチになった今では尚更です。Jarvisがベンチ送りになった件には疑問が残りますが、私は彼らの決定に疑義を呈するような立場ではありませんし、舞台裏で何が起きているかも分かりませんからね。Jarvisなしでチームが完成することはあり得ないとは思いますが、あるいはTSMからすべての事情が説明されるのでしょう。

シージにおけるアナリストの仕事は過小評価されていると思いますか?

アナリストというのは世間にちっとも認知されていない、労に見合わない仕事なのは間違いありません。サポートスタッフにももっと影響力を与えて欲しいですね。今のところLiquipediaには、アナリストの実績についての記述はありません。私は、これは間違っていると思います。アナリストはチームが成功する上での重要な役割を担っていて、それに見合った評判を得るべきなんです。これを正すための第一歩としては、ESLが試合前の会話の中で、ロースターと一緒にコーチのことも紹介することですね。

近い将来、アナリストになるべく研鑽を積んでいる人たちに対して、何かアドバイスしたいことはありますか?

もし皆さんがコーチやアナリスト、マネージャーを志望しているのなら、その調子で頑張ってください。皆さんの試みは報われるでしょう。産業としてのeスポーツはまだまだ黎明期なので、自分が仕事にしたいことが上達したタイミングで、チャンスにありつけますよ!

このインタビューの締めくくりに、G2のパイロット・プログラムスキンを買ってくれた方や、他のパイロット・プログラムアイテムを買ってくれた一人ひとりに感謝を告げたいです。皆さんは自分たちの愛するチームに、そして選手からコーチに至るすべてのG2メンバーに、果てはG2の経営陣にさえ、直接の支援をしてくださいました。この場でお礼を申し上げます。それでは、仕事を続けましょう! #G2ARMY

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今夜の試合でもG2の活躍をお見逃しなく。対戦相手は、BANされたDokiに変わってPieの入ったNatus Vincereだ。レインボーシックスについての今後のインタビューや情報記事については、引き続きSiegeGGをチェックしに来てくれ。