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Kizoku「かなり難しいグループです」

今シーズンの「APACファイナルズへの道」シリーズ。第一回となる今回はまず、既に常連となった日本の強豪、野良連合のコーチkizoku氏から、シーズン10チャンピオンに向けての話を聞かせてもらった。

今年の2月以降、野良連合はベストの状態にはまったく戻れていない。"Wokka"ことイチセ・ユウダイに率いられた野良連合が、APACファイナルズのチームでは初の、シックス・インビテーショナルのようなメジャー級大会でベスト4という歴史を作ったことは記憶に新しい。その後の彼の引退は競技シーンに衝撃を与え、チームは未だ快復に至っていないようだ。

シーズン9では5チームがAPACファイナルズを狙う中、野良連合は特に問題なくシドニーまで進出。そのままミラノでのシーズン9ファイナルズや、シックスメジャー・ローリーにも出場することとなった。"JJ"ことイワサキ・タクミにもしばらくチームに留まってもらい、彼の助けもあってプロリーグ・ファイナルズに進出を果たせたものの、APACファイナルズでの野良連合は韓国の無名チームAgelessに予想以上の苦戦を強いられ、Fnaticには完敗を喫していた。

その後JJがついにチームを去ることになり、"YoshiNNGO"ことユキモリ・ヨシフミが彼の空席を埋めることで、かつて失った輝きを取り戻そうとした。野良連合の過去の記録を見るに、それも成し遂げられるように思えた。しかしミラノの準々決勝ではFnaticと再戦し、抵抗空しく敗れ去った。APACにおけるライバルチームは二大会連続で二度目のプロリーグ準決勝進出を果たしたものの、野良連合はそこから一歩も前に進めなくなってしまった。シーズン8ではWokkaの野良連合がFnaticや他のチームを切り刻んでいたのだが、そのときの不思議な強さはもう消えてしまったかのようだ。

シーズン10のプロリーグも望んだ通りに運ばなかった。今シーズンの野良連合はリーグ戦のまさに最初の試合から、APACファイナルズへの出場が危ぶまれた程だった。リーグの開幕戦では、最終成績で5位となるDetonatioN Gamingとのドローがあり、翌週のYoshimoto Gaming Lamy戦でも1マップで引き分けた。2週目時点で4ポイントずつ加算していったものの、好調な展開には見えなかった。次の対戦相手がFAV Gaming、シーズン6ファイナルズ、そしてシックス・インビテーショナル2018の出場であるeiNsの血を引くチームだったからだ。

プロリーグのスタッツ。野良連合はGUTS Gamingに7-4で勝利した

コンディションは最上とは言えなかったものの、野良連合はFAVを下して、シーズンの趨勢に関わる2マップ分のポイント差を作ると、その翌週はJJがその名を連ねるGUTS Gaming戦も1勝1分で終え、今シーズンの順位が近いライバルたちに対する安全地帯に辿り着くことができた。

だが、そこでシックスメジャー・ローリーがやってきた。何もかもが予定通りに運ばなかった。MIBRとの第1試合を控えたまさにその前日、エース・フラッガーである"Merieux"ことアサノ・ツカサが病に倒れた。そこで、レインボーシックスの競技シーンにおける異人そのもの、"kizoku" ことニシ・ヤスヒロが、彼の抜けた穴を埋めざるを得なくなった。MIBR相手に奮戦し、野良連合は1マップを獲ることができたものの、それでも敗北を避けることは叶わなかった。さらに翌日、チームはMerieuxがどうにか復帰を果たしたが、急成長中のTeam SoloMidに連敗してしまった。野良連合はここで脱落した。

Six Invitational 2019でのkizoku氏 (Photo: ESL Rainbow Six)

そして異変は日本に帰国してからも続いた。誰も――少なくとも海外の観戦者は、ほとんど誰も予想していなかった変化が起きた。日本有数のフラッガーであり、シーズン9で加入したばかりの"Ramu"ことマツオカ・リュウキが抜け、野良連合の国内部門からMaavieが新たに加入した。Maavieは国内では撃ち合いを演じてきたが、プロリーグのような場所での試合どころか、チャレンジャーリーグでの試合経験すら無い選手だ。

Maavieの加入直後、野良連合は父ノ背中を相手に楽々と1マップを取ってみせた。しかし第2試合は不可解なことにドローに終わった。しかも父ノ背中はこの時点で、8マップを戦って合計勝ち点0ポイントというチームだったのだ。リーグのトップをひた走るCyclops Athlete Gaming (CAG)との対決は、6ポイント獲得が期待された中でたった1ポイント獲得したのみだったが、その結果は野良連合に今シーズンの終焉を告げる鐘とまではならなかった。GUTS GamingとFAV Gamingが躓いたことで、世界的に知られたこの日本チームは順位を保つことができたからだ。それでも彼らがAPACファイナルズへの出場を確定させられたのは、国内リーグの最終日だった。Unsold Stuff Gamingに崖っぷちまで追い込まれたものの、2試合とも最後の1ラウンドで勝利を掴み、ファイナルズは自宅待機とならずに済んだ。

今回、第1試合で対決するのはCloud9だ。首尾良くいけば、次はFnatic対Aerowolfの勝者との対決だが、どちらも等しく恐るべき対戦相手だ。

SiegeGGは野良連合のコーチである"kizoku" ことニシ・ヤスヒロ氏から、APACファイナルズに向けての話を聞かせてもらった。

シックスメジャー・ローリーが終わった後、大きな大会での経験が無いMaavieと、Ramu とのロースター変更を行ったのにはどんな要因があったのでしょうか?

maavieの方が強いからです

Maavieが加入してから、6マップをプレイして得られたのはたったの11ポイントです。8マップで勝ち点0だった父ノ背中との引き分けもありました。APACファイナルズに向けて、どんなことに取り組んで行く必要があるとお考えでしょうか?

Maavie(中央)が加わった野良連合。Team Secretとのエキシビションマッチにて (Photo: NORA-Rengo)

ロースター変更したばかりなので、ポイントはそんなに気にしてないです

GUTS Gaming とは僅差でしたので、APACファイナルズには出場できないかもしれないと、どこかの時点で考えたりもしたのでしょうか?

CAGに負けた時に考えました

APACファイナルズ優勝のチャンスについて、どう見積もっていますか?対戦表によれば、野良連合の入った山はCloud9にFnaticにAerowolfと、難敵ばかりのようですが。

かなり難しいグループですが、がんばります

シックスメジャー・ローリーでは、同じグループに大会チャンピオンになるTeam Empireや、後のドリームハック・モントリオールで優勝するTeam SoloMidもいたわけですが、それでもMerieux の病欠がなければ決勝トーナメントまで進出できたとお考えですか?

シックスメジャー・ローリー、グループAの全体統計

60%ぐらいの確率で2位で突破できてたとは思う 病欠によりすべてのプランが変更を余儀なくされた

シーズン10ファイナルズは日本の常滑市で開催されますので、やはりチームとしては何が何でも出場したいでしょうか?意気込みをお聞かせください。

ホーム開催で絶対に出場したいです

決勝トーナメント進出のチャンスがありながら脱落した大会は、シックスメジャー・ローリーで二回連続でした。パフォーマンスが振るわない大きな要因は、やはりWokkaが去った後に変化したチームが、まだ十分に形になっていないことにあると言っても良いのでしょうか?

野良連合の前キャプテンWokka。Six Invitational 2019 (Photo: ESL Rainbow Six)

wokka に今までは依存していたのでそこの差が大きかった

日本や世界のファンに向かって、他に何か話したいことはありますか?

がんばって愛知で行われる世界大会にいけるよう努力します

来週の野良連合の活躍をお見逃し無く。シーズン10APACファイナルズは、10月19日と20日、両日とも日本時間で朝8時からスタートする。昨今の成績を上回る記録を残すため、野良連合はまずCloud9との試合に臨む。その後の相手ははFnaticかAerowolfだ。

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