G2 Esportsについては紹介する必要がないだろう。メジャー級の大会で三度の優勝、プロリーグタイトルを三回獲得し、DreamHackも制覇している。正真正銘、シージ史上最も優れたロースターだ。ここのところのチームはどちらかと言えば苦戦しているが、闘志はまだ尽きていないし、成功への渇望も潰えていない。
いつでも文句無しの強さで環境を席巻していた立場から、プロリーグの5位。これは受け容れがたいことだろう。しかしこれこそG2の選手たちが直面している現実であり、彼ら自身もまた再起を誓っている。シックスメジャー・ローリーへの出場は、今一度自分たちの強さを見せつけるにはこの上ない好機だ。ちょうど半年前、シーズン9が半分終わったときも、G2はオンラインでの戦いに苦しんでいた。それでもシックス・インビテーショナルに出場し、レインボーシックス史上初の世界チャンピオン連覇を果たした。後にG2は、そのときのリーグ戦では作戦を隠していたことを明かしていた。実際そのやり方で上手くいった。
しかしシーズン9の後半戦、G2のロースターは前半の緒戦と同じような形で躓いてしまった。彼らは初めて、プロリーグ・ファイナルズへの出場を逃してしまったのだ。此度のシーズン10でも、同じ展開が繰り返されているように見受けられる。
競技シーンの他のチームが彼らの水準に追いついてきている点や、G2自身から今なお根深い問題が窺える点を加味すると、ローリーメジャーでも優勝できるのかどうか、疑いの目で見てしまうのはあながち筋違いとも言えない。それに加えて、G2は次のDreamHack Montrealにも出場する予定でいる。シーズン10ファイナルズの出場を賭けたレースからほとんど脱落しかけていることを考えると、この大会はシックス・インビテーショナル2020に出るための保険なのかもしれない。もちろんオープン予選を経由しても出場権は手に入る。だがその可能性はどんなに小さくとも、メジャー級の大会を一つ逃すリスクはG2にとって望ましいものではない。
今度のシックスメジャーに向けたG2 Esportsの準備についてさらに詳しく知るために、SiegeGGはNiclas “Pengu” Mouritzenにインタビューを行った。
シーズン10の前半が終わった時点で皆さんは現在EUで5位となっています。シーズン9の終了時、あの低い順位は本意ではなかったと認めていましたが、どうも根本の部分に問題があるように見受けられます。この点をどう捉えたらいいのでしょう。修正の余地はあるのでしょうか?
チームが下位に沈むのはまったく予期してないことだった。でも僕たちはプロリーグで優勝したいだけじゃなくて、オフラインのトーナメントでも優勝したいから、自分自身に非常に高いレベルの要求やパフォーマンスを課しているんだ。Shasが言ってたように、チームのプレイスタイルを統一するためにJoonasをロースターから外して、見ての通り、今もその調整が続いてるんだ。
Mouse ( 現Gifu ) との第1戦を見てくれたら、今のG2の支配力ってやつが分かると思う。あれは相手のおかげで運良く勝てた試合でしかなかった。Gifuもこっちと同じような問題に苦しんでいて、プレイスタイルや得意な戦い方みたいな、チームの「個性」を掴もうとしてた。僕らはただ個人技を駆使して勝っただけ。
もっと強い相手との試合になったら、個人技頼みの作戦なんてあっさり瓦解する。とはいえ割と最近の数試合、特にEmpireやLFOとの試合を見てくれれば、ミスはまだまだ多いけど、僕たちは以前よりもずっと強くなってるのが分かると思う。自分たちの選手としての特徴、ゲームシステムや戦い方、そういうのを見つめ直してる最中なんだ。最近じゃずっとそういうことに取り組んでる。個人の技量とかじゃなくて、チームとしてもっと機能できるようにしてるんだ。
リーグ戦の成績は予想だにしないものでしたが、G2はTeam Empireに対しては8試合を終えて1マップを落としただけです。現在のプロリーグ・チャンピオンに勝つ秘訣とはなんでしょうか?
思うに僕らは「論理的」にプレイするのが得意なんだ。その点だと昨シーズンはmouse相手に領事館でひどいヘマをやらかした。狂ったようにピークしまくるスタイルはアグレッシブとも言えるけど、僕らに言わせれば「猿のプレイスタイル」だよ。まったくもって非論理的だし、やたらにアグレッシブな動きだと、試合全体を通した撃ち合いの勝率が五分五分になる。低レベルなチームやランクマチーム、あるいはチャレンジャーリーグあたりではそういうのが定石でも、最高レベルの試合ではまず見かけない。
Empireのプレイはとても論理的で、実際僕たちも彼らから多くのことを学んでる。僕が思うに、彼らはG2と並んで世界トップのチームだ。G2にしてもEmpireにしても、正気を疑うようなプレイをする選手はロースターに入れてない。もちろんJoyStiCKがサイボーグなのは間違いないし、Kantorakkettiも最初の頃はうちに合ってなかった。でも正直なところ、一人のロースターがイカれたプレイをしたってG2になれるわけじゃないし、「生まれ持った力」なんてどうでもいい。
そういうのがチームを強くするなんて個人的にも信じてないしね。とは言っても、うちには仲間とうまく連携して、プレッシャーのかかる場面でもクラッチができる名手が揃ってるっていう点については、その通りだよ。もちろんメンタルの保ち方は多くのチームにとっての悩みだろうけど、僕たちは本能のままに動いたりはしないし、そうやって頂点に近づいてきた。論理性を活かしてるんだ。
最近のUUNOの加入は、恐らくシージの歴史の中でも最も衝撃的なロースター変更でした。彼はそれからチームにどのくらい馴染んでいますか?
UUNOはとてもよくチームに馴染んでる。それには二つの理由があって、一つはUUNO自身が選手として柔軟だからだ。強い武器を渡せばフラッガーになるし、便利なガジェットを渡せばチームの頭脳になる。とてもシンプルな話だよ。
とはいえ、うちは「入りやすい」チームだと思ってる。プレイスタイルやオペレーター・ピックにどんどん創造性を持ち込むのを許されてるし、FabianやGogaや僕は、メインフラッガーであるUUNOやKantoのことをサポートするためにオペレーターを選んでる。あの二人みたいな選手なら、与えられた役割をこなすのに何でも必要なだけ持っていってくれていい。自分の仕事をこなしてくれるから、僕たちはいくらでもサポ役に回るのを惜しまないんだよ。
僕たちの強さは、サポートやフレックスのプレイヤーが、他の選手より弱いからその仕事をやってるわけじゃないことにある。僕たちはThermiteを使ったGogaのパワーを何度も目にしてるし、Fabianのような世界最高の選手からあらゆる指示を受けられる。役割がどう変わろうと、G2の強さはチームとしての核の部分にあるんだ。
現在のスイス式ダブルイリミネーションには納得していますか?それともメジャー大会は他の対戦形式がいいですか?
個人的には、最強のチームを確実に決めることができるから、スイス式の方が好きだ。全員が互いにぶつかり合うから、対戦相手に恵まれたおかげで優勝できた、ということもない。あるいはベスト4とかベスト8まではスイス式、そこからBo3で、決勝はBo5でもいい。全部をトーナメントにすると、どこがあっさり勝ち上がれそうか大抵すぐ分かっちゃうし、その逆はない。対戦相手が悪くて力を発揮できないチームがある一方で、対戦相手のおかげで楽勝だったっていうのはどうかと思う。
グループ分けはメジャーが始まる2週間前に発表されましたが、対戦相手がまだ分かっていないときは、どんな風に準備をしていましたか?
うーん、どんな準備と言われても…、もちろんベストを尽くすんだけど、現実的な話、各チームごとに準備をする必要はあるよね。あるいは外国でブートキャンプをして、準備に一ヶ月くらい費やす必要もある。あちこち行き来してたらろくに準備もできないからね。グループ分けが発表されるのが最後の予選が終わった後っていうのはどうかと思う。僕たちには時間が限られているんだし、出場する全員に影響することだからね。
大一番の前では、いつもどんな風にウォームアップをしていますか?
大抵はオンラインでブートキャンプをしたり(実質一週間分のスケジュールが埋まる)、打ち合わせをしたりして、めいっぱい練習を重ねる。もしくはベルリンにあるG2本社でブートキャンプをする。(僕たちは8月1日から、チームとしてメジャーの会場に行くまでそこで練習をする。)
机上で打ち合わせをするのに多くの時間をかける。ほとんどのチームに対して、オフラインならではの要素とか、ゲームプランとか、メンタル面のこととかを理詰めで話し合うんだ。
対戦する(もしくは対戦する可能性のある)チームの中で、最も悩まされることが予想されるのはどのチームでしょうか。
悩まされる……。誰が相手でも悩ましいってことはないよ。出場するすべてのチームを大いにリスペクトをしていくし、でもトップクラスと言えるチーム、たとえばDarkZeroとか、対戦したことがないチームを倒すのは難しいだろうね。今じゃEUの一大勢力と化しているEmpireやLFO、それにFnaticについても同じことがいえる。
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シックスメジャー・ローリー2019は8月12日から18日にかけて催され、G2 EsportsはCyclops Athlete Gaming, Team Secret、そしてRogueといった、この惑星でも最強のチームたちと共にグループBに組み込まれている。目指すはもちろんシックスメジャーの連覇だ。
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