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Dizzle「Fnatic vs TSMが最高の試合になるでしょうね」

SiegeGGによる「ローリー・ランダウン」シリーズ。今月中旬に催されるシックスメジャー・ローリーに出場する各チームの選手たちにインタビューをし、彼らの取り組みについて探っていく。第2回はFnaticのコーチ、Jayden “Dizzle” Saundersだ。

Fnaticが元Mindfreakのロースターと契約し、レインボーシックスの競技シーンに参入してから一年以上が過ぎようとしている。だがこのオーストラリアチームがこれほどの高みにまで登り詰めるとは、ほとんど誰も予想していなかっただろう。シーズン7のファイナルズでTeam Liquidに敗れ、去年のシックスメジャー・パリではNinjas in Pyjamasから1勝できたに過ぎなかった彼らのプレイングは、現在世界でも指折りの完成度を誇っている。

Fnaticのロースター。左から、Lusty、Acez、Virtue、RizRaz、Magnet

シーズン8での華々しい戦績が結実したのはEvil Geniusesとの一戦だ。尋常ならざる戦法でもって2-0で勝利した彼らの勢いはさらに、あの素場らしいシックス・インビテーショナル2019のグループステージでの戦いぶりでも見ることができた。とはいえその大会では、トーナメントの第1戦で野良連合に敗北していた。シーズン9では、リベンジとばかりにAPACファイナルズとミラノで野良連合を倒し、最終的に優勝チームとなるTeam Empireからも1マップを勝ち取った。

ローリーが間近に迫る中、Fnaticはシーズン10のプロリーグ戦や、Six Masters 2019のグループステージで作戦の温存にも成功し、充実した時間を過ごしている。しかし、Six Masters 2019では5戦5勝無敗でありながら、プロリーグ戦では敗北1回、引き分け1回と、0RGL3SSにトップの座から下ろされた状態で中断期間に入っている。

シーズン8ファイナルズのEvil Geniuses戦。Dizzleは不在のMagnetの代役を務めなければならなかった。

Fnaticの成功の大部分は、コーチであるJayden “Dizzle” Saundersのおかげと見て間違いない。そこでSiegeGGは彼にインタビューをし、ローリーに向けてチームがどんな準備をしているか、そして大会の見所について聞かせてもらった。

Fnaticは世界的に見ても、この9ヶ月でロースターを固定している数少ないチームであり、数多くのベスト4、ベスト8に入っていながら、これまで国際大会では決勝まで辿り着けたことがないチームでもあります。この現状をどう変えていきますか?

ただベストを尽くし、なるべくミスを少なくしながらプレイするだけです。要するに、今回はどうする、次はどうするといったその場限りのプレイはしません。世界規模のトーナメントだと、他のチームと比べて私たちは経験に乏しいので、すべての瞬間、すべてのマップで、限界を超えていかなければなりません。練度は上がっていますが、どんな試合にもいつでも入れる状態に仕上げていく必要があります。

今シーズンのプロリーグでは現在2位と、0RGL3SSの後ろに座る形となっています。しかし他のANZ(オーストラリア・ニュージーランド)チームが、世界規模の戦いでは有望なチームになれていない原因は何でしょうか。

オフラインと世界規模のトーナメントはBo3で行われます。これは今までずっと試され、認められてきた対戦形式なんですが、これがBo1ならまるで違う試合になります。第3マップまでいくと、何もかもが変わってくる。ミラノでもそれを実感しました。第1マップでは接戦となって、第2マップでは前目に行った、けれど私たちはそこで力尽きてしまった。もしBo1形式で、かつ国境でプレイできていたら、Empireにも問題なく勝てていたでしょう。

選手へのサポートや、インフラにも問題があります。アジアの各国は成長し続けていますし、世界の他の国々にはもっと多くの、国の枠組みを超えたトーナメントがありますが、そうしたギャップをオーストラリアで埋めていくのはとても難しいように思います。シージに限った話ではありません。世界の、ほとんどあらゆるeスポーツタイトルにも言えることです。オーストラリアという国のある場所が、私たちの大きな障害となっているんです。

トーナメントに進出したら、対戦したいチームはどこでしょう?

観客からすれば、Fnatic vs TSM(Team SoloMid)が最高の試合になるでしょうね。向こうが予選のときみたいにプレイしてくれたら、とても盛り上がる試合が観られるでしょう。

重要な試合の前では、いつもどんな風にウォームアップしていますか?

どれも単純なことです。ぐっすり眠る。たっぷり水分補給する。頭の中で試合のプランを思い描き、自分に何ができそうか、もう一度見直していく。朝は体にいいものを食べて、(オフラインなので)いつもTubular Assaultでウォームアップをします。精神的にも肉体的にも、いつでも試合に臨める状態にします。

(訳注:Tubular AssaultはAshを使うシチュエーション・ミッション。インターネット環境を経由しないオフライン大会ではテロハントができないため、シチュエーションを使ってウォームアップをしている。)

チームが頂点まで辿り着けないことについて、APAC(とANZ)が孤立していることとどんな関係があるとお考えですか?

APACは何でもできます。インフラもある。人口も多い。資源もありますし、これからもっと、対戦レベルを上げるための投資が得られます。一つのリージョンとしては、ANZに関しては、孤立していることが大きく関係していると思います。プレイヤーの母数も少ないですし、対戦機会も少ない。世界規模の大会に露出していく機会については尚のことです。

もしチームを丸ごと他のリージョンに移動できるとしたら、どこに行きたいですか?理由も教えてください。

EUか北米ですかね。ヨーロッパの対戦環境は苛烈ですから、きっと成長の足がかりになるでしょう。スクリム相手を探すなら、北米に陣取るのがいちばんですね。北米、EU、(やろうと思えば)アジアのチームとスクリムができますし、eスポーツ業界にはとんでもない額が投資されています。世界で最も贅沢なリージョンなんですよ。チャンスや対戦環境の豊富さだけでも、北米を選ぶ理由としては十分です。

1vs5のクラッチチャンスなシーンになったとして、あなた方が対戦したい選手を一人挙げてください。

1対5をやるなら、Fnaticの選手たちはシールドを持ってくるでしょうね。必要なのは優れたエイム力を持っていて、ゲームセンスのある選手です。しかし多くのクラッチは、冷静さと、周囲の選手たちからの情報によって実現するものです。栄光はクラッチを決めた一人の選手に集まるわけですが、それを可能にするのは、その選手をサポートするチームの助けがあってこそ……、それと多少の運ですね。

ファンに向かって、他に何か話しておきたいことはありますか?

世界中の皆さんからの応援には、いつも感謝しています。本当にありがとうございます。今回のメジャーでも、観戦していて楽しいようなチームになって、できる限り皆さんを楽しませたいと思います。私たちは単なるオージーの野郎どもですが、ベストを尽くして、私たちを支えてくれる方々に誇りをもってもらえるようにしたいです。

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シックスメジャー・ローリー2019は8月12日から18日にかけて催され、FnaticはforZe、FaZe Clan、 そしてDarkZero Esportsといった、この惑星でも最強のチームたちと共にグループDに組み込まれている。目指すはAPACの旗を高く掲げ、このリージョンから初のタイトルを獲得することだ。

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