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G2 Esports、jNSkziを手放し、UUNOを獲得

最後にロースターが変わってから一年以上が経つ。G2 EsportsはJoonas "jNSzki" Savolainenを手放して、代わりにAleksi "UUNO" Työppönenと契約を交わした。

彼ら自身も認めるように、今季のプロリーグでは失意に沈んだ。G2 Esportsは以前からの選手であるJoonas "jNSzki" Savolainenを手放して、LeStream EsportのAleksi "UUNO" Työppönenと契約することにした。もっともLeStreamにおけるUUNOの代役は、未だ不明のままとなっている。

G2 Esportsの二度目のSix Invitational優勝。jNSkziも優勝ケイパーを持ち上げた

ヨーロッパ各国の選手から成るG2 Esportsの2019年は、シックス・インビテーショナルを2年連続で優勝し、概ね良好だった。しかし彼らのようなタイトル・ホルダーとしては、プロリーグの件は精神的に痛めつけられたに違いない。2年以上前にチームが結成してから、彼らは初めてリーグ戦で3位に終わりファイナルズへの出場を逃した。2位のLeStream Esportとは、8ポイントとはっきり差をつけられていた。

リーグの前半が低調に終わったことについて、Niclas “Pengu” Mouritzenは「シックス・インビテーショナルに向けて作戦を温存していたからだ」と繰り返し語っていたものの、リーグ後半については「言い訳はしない」と認めている。

シーズン5、KSがいた頃のPENTA Sportsのロースター(左から右へ、Goga, jNSkzi, KS, Pengu, Fabian)

現在のG2 Esportsの面々が集まったのは2017年、プロリーグ・シーズン4でのことだった。Pengu、jNSkzi、Fabian “Fabian” Hallsten、Daniel "Goga" Mazorra Romero,そしてNiklas “KS” Massierer。さらにVincent "Falko" Baucinoが六人目のメンバーとして加わっていた。その後間もなくFalkoが抜け、KSもまた短いうちにVille “Sha77e” Palolaと交代した。2018年の5月には、次々に入れ代わるこの五人目の枠をJuhani “Kantoraketti” Toivonenが埋めた。

現在EUリージョンでは他のチームも勢力を伸ばし、シーズン5以来初めてファイナルズの出場を逃した。G2 Esportsの変革のときだった。統計はすべてを物語ってくれるわけではないにせよ、今回のG2の変化を理解するうえでの叩き台としては示唆に富んでいる。

プロリーグ・シーズン9、EUリージョンにおける全体統計

シーズン9全体を通して、SiegeGGによるjNSkziのレーティングは0.81。その内訳だが、「キル数-デス数」はマイナス32、オープニングキルに限った「キル数-デス数」ではマイナス7、そしてKOSTの値は0.55。すなわち出場した全ラウンドのうち存在感を示せたのが55%ということになるので、とりわけ落胆させられる。一連の数字は、アタッカーでは主にIQを、ディフェンダーではMaestroを使っていたことに起因する。

シックス・インビテーショナル2019、決勝トーナメントの統計

シックス・インビテーショナルに目を向けてみると、並んでいる数字は実に気持ちの良いものだ。しかし大会での成功が大きいだけに、何かがあっさりと見落とされてしまっている。mantisFPS (現Cloud9)やMock-it Esports (現Natus Vincere)と戦ったグループステージの試合では、jNSkziはほとんどBuckとMuteでプレイし、共に0.98というチーム内での最低成績となっている。一方で決勝トーナメントでは、JackalとMuteでプレイし、全体レーティングは0.92。KOSTは0.63。「キル数-デス数」ではマイナス11だった。

彼と交代で入るUUNOの方を見てみよう。シーズン9ファイナルズでの成績は芳しくないものの、これはたった1試合での統計であり、彼のチームはオフライン戦ではずっとお粗末な成績だ。だがオンラインのプロリーグ戦では、レーティングは1.01。KOSTは0.63。メインはAshとPulseだった。シックス・インビテーショナルを見ても、彼の統計数値はjNSkziにわずかに劣っているだけだ。LeStreamはたった2試合、G2は5試合を戦ったとはいえ、それでも差は本当にわずかなものだ。

DreamHack Valencia 2018での、UUNOとENCE eSportsの面々

UUNOにとってのデビュー・シーズン、彼が現在よりも注目を浴びていた一年前を振り返ってみよう。当時の彼はヨーロッパ全体におけるベストプレイヤー・ランキングで第7位、だが所属するチームENCE eSportsは、UUNOやKantorakettiの破壊力をもってしてもプロリーグから降格してしまった。シーズン8でも、ENCEはチャレンジャーリーグに残留となった。だがシーズン9の開始を前に、どうにかUUNOはLeStream Esportへと個人昇格することができた。そして今、彼は世界最強のチームであるG2 Esportsに加わった。これからすぐにでもチームに馴染んで、G2の恐怖で世界を支配し続けてやろううと目を輝かせていることだろう。

SiegeGGは、G2 EsportsのヘッドコーチであるThomas "Shas[O]Udas" Lee (以下、縮めてShas)と、UUNOから、今回の移籍について話を聞かせてもらった。

Shasへの質問: シーズン4まで遡れば、JoonasG2の中核メンバーの四人のうち一人だったのですが、変更のきっかけは何ですか? なぜJoonasなんでしょうか?

シーズン4で優勝したときのPENTA Sports

何かを変えていくとしたら、チャンスは今しかないと思ったんです。これ以上先延ばしにしてしまうと、次のメジャー大会に間に合わなくなってしまいますから。この決断は誰にとっても嬉しいものじゃありませんでした。決断に至るまでが途轍もなく大変でした。理由は幾つもあります。

ですが、ここでその辺りを掘り下げて話すつもりはありません。Joonasのプレイング哲学が、他の四人とはすっかり違うものになってしまったからだと言うほかないですね。それによって(私たちがプレイしている)EUのリーグで、チームとしての結束力がはっきりと弱くなっていたんです。彼のやり方を支えてくれるチームでなら、他のプロリーグ・チームに行っても活躍できると言い切れます。Joonasにとってのベストが出せることを願っています。

もちろん私は、大激論の矢面に立たされていることでしょう。ずっと一緒にやってきて、多くの成功を共にしてきた選手であり友人と、袂を分かってしまったのはとても辛い。しかしそれと同時に、これからUUNOと戦えることや、このメンバーでどれだけの高みまで行けるのかということを、非常に楽しみにしてもいます。

Shasへの質問: 新選手としてUUNOが理想的だと思った理由はなんでしょうか?

シックス・インビテーショナルの準決勝、Spacestation Gamingと戦うG2 Esports

極めて重大な決定を下すときはいつも、私たちは民主主義的な方法を採っています。選手一人ひとりに持論を語ってもらってから、投票をします。そうやってこれからJoonas抜きでやっていくことに決め、彼にもそれを伝えました。驚いたことに、チーム全体で一致して、UUNOの採用を望んでいたんです。こちらの要望を満たしていて、かつチームが期待する役割を果たしてくれそうな候補選手といえば、彼しかいないとみんな考えていたんです。

UUNOが加わったことで、チームとしての目標を達成できたと断言できます。連携能力が非常に高く、かつ臨機応変に何でもこなせる選手が五人揃ったんです。しかも Kevin "Sua" Stahnke(G2のアナリスト)は、ENCEにいた時にUUNOと仕事をしたことがあります。私もそうなんです。(振り返ってみれば、彼の競技選手としてのキャリアはPENTAのアカデミーからスタートしたんです。)UUNOは能力が高いし、タイトルを勝ち取って、G2の一強を継続させるのに必要な意欲も持ち合わせていると請け負いますよ。

UUNOへの質問: G2 Esportsに加入することについてどう思いますか?

びっくりしました!選手としてプレイし始めたのはPENTAのアカデミーにいた頃なんですけど、あのときのメンツがこうしてまた揃うのは久しぶりのことなんです。僕はみんなとまたプレイして、ShasやSuaとも一緒に働きたいといつも思っていたんです。しかも、今回はKantoまでいてくれるなんて!

UUNOへの質問: G2から声がかかったとき、ためらいはしませんでしたか? その理由についても聞かせてください。

DreamHack Winter 2018での、UUNOとLeStream Esportの面々

唯一の心残りといえば、LeStream Esportのチームメイトたちを置いてきてしまったことですね。あいつらとプレイできるのは、何ものにも代えられないほど嬉しかった。だけど、これまで僕がオファーを受け入れたチームはG2 Esportsだけなんです。だから、さよならを言うのは悲しいけど、これが正しい決断だったと言い切れます。LeStreamには最高のチームになってほしいです!

UUNOへの質問: jNSkziの穴埋めをするのは容易な仕事ではありません。このチャレンジをどうクリアしていきますか?

シージ界の伝説であるJoonasの後釜に座るのは、間違いなく大変です。でも僕にならできるという自信があります。過去にも似たような状況に置かれたことがあるからです。たとえばENCEに加わったとき、僕はShatteの交代要員としてユニフォームを着なければならなかった。しかも背中に名前の書かれていないユニフォームを。そこで僕は自分の力を証明してみせたんです。そういうこともあって、G2から声がかかったんじゃないかなと。当面は、目の前の仕事に集中していくつもりです。自分の仕事をして、僕の力を示します。

Shasへの質問: 以前Penguは、オンラインとオフラインのシージの違いについて語っていました。ミラノに行けなかった件では、これが大きな要因になったと思いますか?

シックスメジャー・パリで作戦を練るG2 Esports (写っているのがShasとjNSkzi)

オンライン環境とは対照的に、オフラインでならG2はいつも納得のいくプレイができるんですが、それがミラノに行けなかった理由だとは思えませんね。EUプロリーグの頂点付近での戦いが激しさを増しているのが原因かもしれません。シックス・インビテーショナルのために「作戦の温存」という形で手加減をすることになり、こちらは疲労困憊でした。そういったすべてが、シーズン9全体における水準以下のパフォーマンスとして結実してしまったのではないでしょうか。

Shasへの質問: レインボーシックスであなた方は名声を総なめにしていますが、第三者の目から自分たちを見たとき、こうした寡占状態はeスポーツにとって健全だと思いますか?

その論点について、私はとても多くの視点から語ることができます。観る側としては…これはどのチームも贔屓にしていない観戦者のことを想定しているんですが、一強支配があることによって、視聴者はレベルの高いプレイを繰り返し見に来てくれるんです。ですがその一方では、一強支配があるせいで、覇権チームとは関係の無い試合は視聴者が減ることにもなりますね。ただこれは対戦競技ですので、一強支配の状態が成立してしまうのは、支配をする側のチームよりも、その対戦相手の方に落ち度があるんです。「対戦」というのは、「レベルの高い対戦」が期待されているものなんです。したがって私の持論は、「上げ潮はすべての船を持ち上げる」。G2が覇権を握り続けることは、他のすべてのチームの強化にも繋がるんですよ。

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新たなロースターを加えたG2 Esportsの姿は、間もなく始まるプロリーグ・シーズン10の試合で見られるだろう。一定のレベルには達せなかったシーズン9の、埋め合わせをするときだ。

 

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