Dan「後はただ……クラッチを決めました」

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ゼロからTeam Empireのヒーローとなった男にインタビューをした。シーズン9ファイナルズのMVP、Danila “Dan” Dontsovだ。

This article is translated. You can find the original here: Dan: "Then I just ... clutched the round"

ある人物を思い描いてみて欲しい。 彼はレインボーシックス シージをやりこんでいるとする。シージがとても上手いとする。上手いどころか、「ランクマッチのスター」として知られ、イロレーティングを独り占め状態だ。やがて毎シーズン楽々とダイヤになれるくらいでは満足できなくなった彼は、ESLのGo4大会に挑む。その結果、やっぱり自分は上手いと分かった。

競争こそが自分の生き甲斐なのかもしれないと思った彼は、ステップアップして、CCS (Cyberathlete Championship Series)のチームに加わって、予選の試合や1シーズン分をプレイした。そしてほんの半年も経たないうちに、シージ界における当代最強のチームと契約を交わすこととなった。

少々ドラマチックに書き流したものの、もちろんこれはDanila “Dan” Dontsovの物語だ。

forZe在籍時のDan

Team Empireに入ったときの彼は、Artyom "Shockwave" Simakovという、レインボーシックスでは遙かに豊かな経歴を持った男の代役だった。実績の数も比べものにならないほどで、その最たるものはシックス・インビテーショナル2019における途轍もない躍進ぶりだ。プロリーグにデビューしたばかりのこのチームは決勝戦に至るまで、立ちはだかるすべての敵を首尾良く粉砕した。決勝の場でも、EmpireはG2 Esportsを崖っぷちまで追い込み、1つのマップで22ラウンドという、プロリーグやメジャー大会における最長記録を打ち立てた。

プロリーグでのTeam Empireは、ほぼ無敵の状態を保ったまま悠々とファイナルズへの進出を決めた。実際、プロリーグは初参戦だった彼らの強さたるや、G2 Esportsがファイナルズに出場できないのが明白になると、即座に、かつ信じがたいほど圧倒的な支持を受けて優勝本命馬になったほどだ。とはいえEmpireの強さや信念の源は、Shockwaveにあったと言っても過言ではないだろう。

彼のユニフォームは、Danが着るには大きすぎた。

Empireの一員となったDanの初の試合では、チームはシーズン2度目の敗北を喫してしまった。だが既にミラノへの出場権は有していたうえに、当の相手はLeStream Esportsという、同じくミラノに出場し得るチームだったので、激痛とまではいかなかった。連携は、練習を積めば培える。

それを手にするのに、長い時間はかからなかった。Chaos Esports Clubは未だ成長途中のチームであり、Empireは彼らをシーズン最終戦で始末した。その試合の中で、Danはどうやら自分のスタイルを見出したようだった。もっとも、初めてのオフライン大会に臨む彼が、Team Empireにおいて、ひいてはレインボーシックスの競技シーンにおいてどんな立ち回りを見せてくれるのかは、誰にもまったく分からなかった。ShockwaveがDanに変わったことについてG2 Esportsの Niclas “Pengu” Mouritzenに尋ねたときも、彼は「明らかに弱くなった」と語っていた

つまりその時点で、Danの加わったTeam Empireがどれだけ強くなったのかは、ほとんど誰にも見抜けていなかったことになる。1マップ目はオーバータイムにもつれこんだものの、EmpiteはDarkZero Esportsを2マップ連取で片付けた。続くFnaticとの試合では、第3マップで7-0と相手に苦杯をなめさせた。決勝の相手はEvil Genius。そこでDanが輝いた。

ただ冷静でい続けられるのと、1マップ目を落とし、もうあと一回でも負けたら終わりという中でも冷静でい続けられるのとでは、わけが違う。オレゴンの階段を駆け上がり、驚愕の3ポイント連続奪取をチームにもたらしたのはDanだった。そして第3マップ。Evil Geniusはもてる力をかき集めて巻き返しを企み、Empireを封じ込めようとした。しかし、そこでチームを救ったのもDanだった。

決勝戦で実際に起きたことよりも優れたシナリオを描けていたものは、まずいなかっただろう。2対5の状況に陥り、すべては ScytherとDanにかかっていた。Scytherが2キルを取り、3人目の注意を自分に引きつけながらDanに後ろから狩らせた。その後すぐに、Danは1対2となった。言うまでもなく、Team Empireの新人であり、プロリーグの新人である彼が、そこで冷静沈着でいられるとは誰も思っていなかった。しかしDanはEGの残る2人を狙い撃ち、Team Empireにとって初めてのプロリーグ・タイトルを掴み取った。

ここに至るまでの彼の歩みについてさらに深く知るため、SiegeGGはDanに対して、以前彼がチームと契約をしたとき以来の再インタビューをした。

Fnaticとの第2マップではポイントに差を付けられていました。しかし第3マップは逆に7-0でした。不安は感じなかったのでしょうか?

いえ、僕たちは勝てると分かっていたし、第3マップのときはBO1のつもりで気持ちを切り替えてプレイしていたんです。

ファイナルズのタイトなスケジュールを鑑みると、Evil Geniusに対してはどのくらい準備ができていたのでしょうか?

EGにはこれといった準備はしていませんでした。ブートキャンプでみっちり練習して、勝つために必要なことは(コーチの)RayzerGMから教えてもらっていたんです。

Team Empireとしての最初の試合では、LeStreamに4-7で敗れました。そこから劇的に改善した秘訣は何だったのでしょうか。察するにチームメイトとの連携でしょうか?

はい。チームのみんなと目一杯やりこんで、いい連携を築き上げていったんです。

トーナメントにあたって、練習や経験が不足していることについて不安はありませんでしたか?

そりゃ、DarkZeroとの試合中はすごく緊張していましたよ。でも準決勝や決勝では自分に自信を持てたんです。

第2マップで3-6にされてからは、ラウンドを取った後でも非常に集中して、落ち着いているように見えました。頭の中ではどんなことを考えていたのでしょうか。

巻き返しを図るために、チームメイトを元気づけて、ベストを尽くそうとしていました。

最終マップでは6-1と差を付けましたが、そこで突然Evil Geniusは2ラウンドを一気に取り返してきました。これは単に、あなた方が勝利を急ぎすぎたということでしょうか。それとも他の要因が?

最初はこっちがミスをしていたんですが、その後でEGも僕たちの守備を読み始めたんです。

最後のラウンドでは2対5の状況に追い込まれ、そして1対2となった。あのラウンドで起きていたことを聞かせてください。

はっきりとは覚えていないんですが、EGの攻撃は強烈で、味方が3人やられて、拠点を制圧されていました。Scytherがすぐに2キルをとって、Montagneの気を引いてくれた。だから僕があそこでナイフを振るうことができたんです。

後はとにかく良い動きをして、あのラウンドでクラッチを決めました。

ファンに向かって、他に何か話しておきたいことはありますか?

シーズン9のトロフィーを高々と掲げるDan

支えてくれたすべてのファンの皆さんに、ありがとうと言いたいです。本当に力になりました。皆さんの応援がなかったら、タイトルを掴むことはできなかったはずです。

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Team EmpireとDanはプロリーグ・シーズン9のタイトルを勝ち取りはしたが、戦いはロシア国内のメジャーリーグ、シーズン2へと続いていく。シーズン1で取ったタイトルを防衛すべく、彼らはトーナメントを駆け抜け、ロシアのファイナルズでも戦ってくれることだろう。